高倉健主演の感動作『あなたへ』が第36回モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に出品され、9月2日の19時(現地時間)から公式上映が行われた。上映後はエンドロール開始直後から拍手が沸き起こり、一般客やマスコミ陣から「日本的な内面の感情表現がとても美しい」「高倉健が81歳だなんて信じられない」という賛辞の声が挙がった。
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映画祭には高倉も出席。上映後のスタンディングオベーションのなか、立ち上がって挨拶する高倉の目には涙が浮かび、ハンカチで目頭を押さえる場面もあった。
高倉が海外映画祭に参加したのは1994年の『四十七人の刺客』でヴェネチア国際映画祭に参加して以来18年ぶり。モントリオール映画祭では『鉄道員(ぽっぽや)』(99年)で日本人俳優初の最優秀男優賞を受賞しているが、そのときは参加できなかった。高倉は今回参加した理由を「13年前に『鉄道員』で賞をいただいていたので、どこかでお礼がしたかった」と話した。
公式上映の前には記者会見も行われ、本作出演まで6年間休んでいた理由を問われると、高倉は「6年前に『単騎、千里を走る』に出てから、自分の仕事の仕方を考え直していました」と説明。「まだ結論は出ていません」とも話していた。
公式上映後のコメントでは「泣いちゃったね。ふっと(涙が)出てしまいました。見終わった後、みなさんの拍手を受けて、何かわからないゾクッとするものがありました。これが映画祭の持っている魔力なのでしょうか。何十年も役者をやってきてもこんな経験をするんですね。映画にはそういう力があります」と映画の素晴らしさを語った。
『あなたへ』はTOHOシネマズ 日劇ほかにて全国公開中。
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