領民からは「でくのぼう」と揶揄されながらも、たった500人で石田三成率いる2万の豊臣軍に戦いを挑んだ忍城(おしじょう)城代の“のぼう様”こと成田長親と、彼と共に戦う戦国武士たちの姿を描いた『のぼうの城』。この映画のジャパンプレミアが9月20日に六本木ヒルズ・アリーナで行われ、野村萬斎、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、佐藤浩市、犬童一心監督、樋口真嗣監督が登壇した。
本作は、犬童と樋口の両監督が2人でメガホンを取った話題作。「監督が2人いるのは珍しいのでは?」という質問に樋口監督は「マネする人が続出すると大変なので、あまり大きな声では言えませんが、大変良かったです」と回答。
佐藤は監督が2人という経験が1〜2度あるそうで、「そういう場合は公開日が迫っていて時間がないなど、やむにやまれぬ事情があるものなんですけど、この映画はそうじゃなく、最初から2人だった」と話すと、「今考えたら、何で2人だったんですか?」と唐突に質問。これに犬童監督は「2人で作った方がいい映画になるという確証があって、樋口さんを誘ったんです」と答えていた。
主人公の“のぼう様”を演じた野村は「とにかくみんなから『でくのぼう』と呼ばれているんですけど、この人自体がどういう思考回路を持っているかが、まったく書かれていなかった」と役作りの難しさを吐露。だが、個性豊かな共演陣に助けられたようで、「最初は困ったなと思っていたんですけど、キャラが本当に際だっているなかで、台風の目のようにスポッとユルくてのんびりしたキャラが不在だったので、撮影2日目くらいからは伸び伸びと演じさせていただきました」と語った。
一方、時代劇は初めてという榮倉は、両監督から見ておいた方がいい作品として、黒澤明監督の作品を何本か薦められたものの「(作品が)壮大すぎて余計に緊張して、かなりガチガチの気持ちで(現場に)行った覚えがあります」とコメント。
さらに、武術の練習のほか、2ヵ月くらい乗馬の練習をしたことを明かすも「カットされていた(笑)」と爆弾発言。司会が「両監督のどちらがカットすることに決めたのですか?」と問い詰めると、樋口監督が「乗馬シーンはありますよ、ちゃんと」と説明。どうやら2シーンあるうちの1シーンは残っているそうで、そんな説明がされていると、突然、犬童監督が「すみません、ボクが切りました」と告白、会場を沸かせていた。
最後の挨拶では上地が「知将と呼ばれる石田三成を演じさせていただきましたが、僕が知将役って最初で最後だと思います」と話すなど、終始笑顔が絶えなかったプレミアイベント。野村は「とにかく嬉しいですね。1年公開も延びましたが、やっとこの素晴らしい映画をみなさんにお見せすることができるのを素直に喜びたいです。泣いて笑ってビックリして、ちょっとズッコケて、最後に活力をもらってお帰りいただきたいと思っています」と映画をアピールした。
『のぼうの城』は11月2日よりTOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国公開される。
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