現在公開中の『ダイナソー・プロジェクト』のトークイベントが4月3日にシネクイントで行われ、“ムツゴロウさん”こと動物研究家でエッセイストの畑正憲が生き物への愛を語った。
同作は、アフリカ・コンゴの秘境を舞台に、絶滅したはずの恐竜たちが生きる“ロスト・ワールド”に足を踏み入れてしまった未確認生物調査隊の冒険を描いた作品。教育映画の製作にも携わったことのあるムツゴロウさんは「まずビックリしたのは、強引で、つながりを無視した映像のつなぎ方」と映画について語り始め、酷評されているのかと司会者もビックリ。だが「迫力がある。そこにスリルがあるんですよ」と、映画らしくない編集が良かったと褒め称えた。
イベントでは、映画製作をしていた頃の思い出や、自身の原作「恐竜物語〜奇跡のラフティ〜」を映画化した『REX 恐竜物語』の製作秘話などを次々と披露。「恐竜物語」については「『ジュラシックパーク』よりも前に書いていて、『レインマン』の(バリー・レヴィンソン)監督が2年くらい(映画化の企画を)持っていてくれたのですが、折り合いがつかなかった。そんななか、角川(春樹)さんが『オレがやる』と言って作ってくれたんです」と話しが止まらなくなったムツゴロウさんに司会が「その話も聞いていたいんですけど、時間も限られているので」と、『ダイナソー・プロジェクト』に話を戻そうと苦心。
だがその後もムツゴロウさんの脱線は止まることなく、映画の舞台であるコンゴのことを話し始めると、「あそこに行きたくて、何度も(テレビ番組などの)企画を出したんです。あそこには世界最大のカエルがいるんです。それを抱きたくてね〜。(カエルが)毒液を出したらそれを舐めてみたいと思ったんです」と憧れを語り続けた。
また、司会が劇中で恐竜を餌付けするシーンが出てくることに触れ、恐竜を餌付けしてみたいか尋ねると「僕はあらゆる生き物に餌付けしたことはないんです」とキッパリ。「餌で釣るのはキライなんです。だから恐竜が出てきたら『どうしたの? 寂しいの?(自分の腕のなかは)温かいよ。もうちょっとそばに来てよ』という風にして仲良くなります」と“実演”して見せ、「恐竜と仲良くなると面白いでしょうね〜」と夢見るように語った。
4月17日で78歳になるもののまだまだ元気なムツゴロウさん。「元気の秘訣」を語ってもらおうとすると「(秘訣は)まったくないんです」とこれまた想定外の答え。「私は『こうしたらこうなる』という処方箋が大キライ。体にいいからって食べて美味しいことなんて何もない。でも、知らないことにぶつかると若返る。病気もしましたが医者にはほとんど行きません。何度か倒れたことはありますけど。癌にもかかって胃袋を全摘されたんです。(手術後に)抗癌剤を打ちますか?と言われて怒ったんです。『僕は免疫力を持ってるんですよ』って」と打ち明けた。
最後に今後の野望を聞かれると「行き当たりばったりで生きるのが大好きなんで、どこにぶつかるのか楽しみ」と笑ってから、「すばらしい映画です」と映画をアピールしていた。
『ダイナソー・プロジェクト』はシネクイントほかにて全国公開中。
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