最多10部門ノミネートは2作品、
『ROMA/ローマ』『女王陛下のお気に入り』
第91回アカデミー賞のノミネーションが現地時間22日早朝に発表され、メキシコ映画の『ROMA/ローマ』と米・英・アイルランド合作の『女王陛下のお気に入り』が最多10ノミネートで並んだ。
・勢いが止まらない! 岐路に立つ映画界の行方占う試金石『ROMA/ローマ』
前哨戦で勝ち進んでいるアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』は作品賞と外国語映画賞、監督賞、オリジナル脚本賞(キュアロン)、主演女優賞(ヤリツァ・アパリシオ)、助演女優賞(マリーナ・デ・タビラ)、撮影賞(キュアロン)、美術賞、音響編集賞、録音賞の最多10部門ノミネート。1970年代のメキシコを舞台に、監督自身の幼少期をもとに裕福な家庭に住み込みで働く若い家政婦を描いたモノクロ作品はNetflix配信作品。昨年9月のヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞して以降、各映画賞で受賞を重ねている。
サプライズはマーベルの『ブラックパンサー』
コミック原作ヒーロー映画の作品賞候補入りは史上初
日本からは是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞、細田守監督の『未来のミライ』が長編アニメーション賞にノミネートされた。
『万引き家族』は、『ROMA/ローマ』が作品賞とWノミネートで票が割れそうなことから受賞の可能性は低くないが、監督賞と撮影賞でもノミネートされた『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド)という強敵もいる。
サプライズは、マーベルの『ブラックパンサー』の作品賞ノミネート。コミック原作のヒーロー映画の作品賞候補入りは史上初であり、そのほかに作曲賞や歌曲賞、衣裳デザイン賞など7部門でノミネートされた。
作品賞や主演女優賞(レディー・ガガ)、助演男優賞(サム・エリオット)、歌曲賞など8部門にノミネートされた『アリー/スター誕生』のブラッドリー・クーパーは主演男優賞候補になったものの、監督賞ノミネーションからは落選した。
主演男優賞部門では、前哨戦のゴッサム賞やロサンゼルス映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞などで連勝していた『魂のゆくえ』のイーサン・ホークが落選し、『永遠の門 ゴッホの見た未来』で画家のフィンセント・ファン・ゴッホを演じたウィレム・デフォーがノミネートされ、昨年(『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』助演男優賞)に続いてオスカー候補入りを果たした。
『ブラック・クランズマン』が作品賞、助演男優賞(アダム・ドライヴァー)など6部門にノミネートされたスパイク・リー監督は、今まで『ドゥ・ザ・ライト・シング』(90)でオリジナル脚本賞候補になり、『マルコムX』(92/デンゼル・ワシントンが主演男優賞候補)、『4 Little Girls(原題)』(97/長編ドキュメンタリー作品賞)などの監督作がオスカー候補になっているが、自身の監督賞ノミネートは今回が初めて。
日本で現在も大ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』は作品賞、主演男優賞(ラミ・マレック)ほか5部門で候補になった。
第91回アカデミー賞授賞式は2月24日(現地時間)、ハリウッドのドルビー・シアターで開催される。
各賞候補は以下の通り。
【作品賞】
『ブラックパンサー』
『ブラック・クランズマン』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『女王陛下のお気に入り』
『グリーンブック』
『ROMA/ローマ』
『アリー/スター誕生』
『バイス』
【監督賞】
アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)
スパイク・リー(『ブラック・クランズマン』)
アダム・マッケイ(『バイス』)
ヨルゴス・ランティモス(『女王陛下のお気に入り』)
パヴェウ・パヴリコフスキ(『COLD WAR あの歌、2つの心』)
【主演男優賞】
クリスチャン・ベール(『バイス』)
ブラッドリー・クーパー(『アリー/スター誕生』)
ウィレム・デフォー(『永遠の門 ゴッホの見た未来』)
ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)
ヴィゴ・モーテンセン(『グリーンブック』)
【主演女優賞】
ヤリッツァ・アパリシオ(『ROMA/ローマ』)
グレン・クローズ(『天才作家の妻 40年目の真実』)
オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』)
レディー・ガガ(『アリー/スター誕生』)
メリッサ・マッカーシー(『Can You Ever Forgive Me?』原題)
【助演男優賞】
マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』)
アダム・ドライヴァー(『ブラック・クランズマン』)
サム・エリオット(『アリー/スター誕生』)
リチャード・E・グラント(『Can You Ever Forgive Me?』原題)
サム・ロックウェル(『バイス』)
【助演女優賞】
エイミー・アダムス(『バイス』)
マリーナ・デ・タビラ(『ROMA/ローマ』)
レジーナ・キング(『ビール・ストリートの恋人たち』)
エマ・ストーン(『女王陛下のお気に入り』)
レイチェル・ワイズ(『女王陛下のお気に入り』)
【脚本賞】
デボラ・デイヴィス、トニー・マクナマラ(『女王陛下のお気に入り』)
ポール・シュレイダー(『魂のゆくえ』)
ニック・ヴァレロンガ、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー(『グリーンブック』)
アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)
アダム・マッケイ(『バイス』)
【脚色賞】
ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン(『バスターのバラード』)
チャーリー・ワクテル、デヴィッド・ラビノヴィッツ、ケヴィン・ウィルモット、スパイク・リー(『ブラック・クランズマン』)
バリー・ジェンキンス(『ビール・ストリートの恋人たち』)
エリック・ロス、ブラッドリー・クーパー、ウィル・フェッターズ(『アリー/スター誕生』)
【視覚効果賞】
『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』
『プーと大人になった僕』
『ファースト・マン』
『レディ・プレイヤー1』
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
【美術賞】
『ブラックパンサー』
『女王陛下のお気に入り』
『ファースト・マン』
『メリー・ポピンズ リターンズ』
『ROMA/ローマ』
【撮影賞】
ウカシュ・ジャル(『COLD WAR あの歌、2つの心』)
ロビー・ライアン(『女王陛下のお気に入り』)
キャレブ・デシャネル(『Never Look Away』英題)
アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)
マシュー・リバティーク(『アリー/スター誕生』)
【衣裳デザイン賞】
『バスターのバラード』
『ブラックパンサー』
『女王陛下のお気に入り』
『ふたりの女王 メアリーとエリザベスv
『メリー・ポピンズ リターンズ』
【編集賞】
『ブラック・クランズマン』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『女王陛下のお気に入り』
『グリーンブック』
『バイス』
【外国語映画賞】
『カペナウム』(原題/レバノン)
『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド)
『Never Look Away』(英題/ドイツ)
『ROMA/ローマ』(メキシコ)
『万引き家族』(日本)
【音響編集賞】
『ブラックパンサー』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『ファースト・マン』
『クワイエット・プレイス』
『ROMA/ローマ』
【録音賞】
『ブラックパンサー』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『ファースト・マン』
『ROMA/ローマ』
『アリー/スター誕生』
【メイクアップ&ヘアスタイリング賞】
『Border』(原題)
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
『バイス』
【作曲賞】
ルドウィグ・ゴランソン(『ブラックパンサー』)
テレンス・ブランチャード(『ブラック・クランズマン』)
ニコラス・ブリテル(『ビール・ストリートの恋人たち』)
アレクサンドル・デスプラ(『犬ヶ島』)
マーク・シェイマン(『メリー・ポピンズ リターンズ』)
【長編アニメーション賞】
『インクレディブル・ファミリー』
『犬ヶ島』
『未来のミライ』
『シュガー・ラッシュ オンライン』
『スパイダーマン スパイダーバース』
【短編アニメーション賞】
『Animal Behaviour』(原題)
『Bao』
『Late Afternoon』(原題)
『One Small Step』(原題)
『Weekends』(原題)
【歌曲賞】
All The Stars(『ブラックパンサー』)
I’ll Fight(『RBG』原題)
The Place Where Lost Things Go(『メリー・ポピンズ リターンズ』)
Shallow(『アリー/スター誕生』)
When A Cowboy Trades His Spurs For Wings(『バスターのバラード』)
【短編実写映画賞】
『Detainment』(原題)
『野獣』
『マルグリット』
『Mother』(原題)
『Skin』(原題)
【長編ドキュメンタリー部門】
『Free Solo』(原題)
『Hale County This Morning, This Evening』(原題)
『Minding the Gap』(原題)
『父から息子へ 戦火の国より』
『RBG』(原題)
【短編ドキュメンタリー賞】
『Black Sheep』(原題)
『End Game』(原題)
『Lifeboat』(原題)
『A Night at the Garden』(原題)
『Period. End of Sentence.』(原題)
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