初の本格ラブストーリー『悲夢』の記者会見で、オダギリ ジョーが結婚維持の秘訣を告白!?
オダギリ ジョー初の本格ラブストーリーとなる『悲夢』(ヒム/09年2月初旬公開)の記者会見が都内で行われ、キム・ギドク監督とオダギリが映画について語った。
ヴェネチア国際映画祭で上映され失神者が出た衝撃作『魚と寝る女』(01)、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した『サマリア』(05)、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した『うつせみ』(06)など数多くの“話題作”を生み出してきた韓国映画の異端児キム・ギドク監督。監督の大ファンだったというオダギリは、念願が叶ったことを喜び、監督については「撮影している時より、お酒を飲んでいる方が長いくらい一緒に飲み、親友のような感じになることができました」と話した。
キム・ギドク作品の魅力についてオダギリは、「人間のドロドロとした部分や惨めさ、残忍さを、監督ほどさらけ出し、美しく描く監督はいないと思います」と絶賛。韓国映画である本作に加え、今後、ユー・リクウァイ監督の『Plastic City』、田荘荘監督の『狼災記(仮題)』の公開が控えていて海外作品づいているが、「今年は、海外作品の撮影のためにほとんど外国で過ごしました。海外では、日本ではあり得ないようなことが起き、何度ブチ切れそうになったか……(笑)。だからこそ日本の良さが分かるし、足りない部分も見えてくる。そして、日本に対する愛情が深まります」と話した後、横のキム監督に訴えるかのように、「監督の映画でブチ切れたことはなかったです」と断言!「どの映画でブチ切れたかは、今後、記者会見で感じることができるのでは……」と言葉を濁していた。海外の作品にもどんどん参加したいそうだが、「海外の作品は精神的・肉体的にも疲れるので」と本音ものぞかせた。
“初の本格ラブストーリー”ということで、やはり気になるのは、昨年12月に結婚した香椎由宇との生活。映画のタイトルのように“悲しい夢”にならないようにする努力は──という質問には「よく、まぁうまくひっかけて質問しますね〜」と、なんとか音便に私生活に関する答えを引き出そうとするマスコミの涙ぐましいほどの努力に感心した後で、こう答えた。
「海外での撮影中は、遠くにいるからこそお互いを気づかうことができるという一面もあります。日本にいるとケンカをすることもあるだろうけど……。互いを気づかうことができれば、悲しい夢にはならないと思います。何ごとも思いやりが大切なので」
結婚直後に撮影した『悲夢』。オダギリの結婚を「マスコミ報道を通じて知った」という監督は、「結婚の理由について『彼女に安心して欲しかったから』と聞き、素晴らしいことだと思いました。彼女のために私ができる唯一のことは、不安に思うことがないようにオダギリさんを監視することだけでした(笑)。でも、そんな心配は不要なほど、映画に打ち込んでくれましたね。でも、撮影にキチンと臨んだのは、(撮影を早く終えて)彼女の元に早く戻りたかったからなのかな」と笑みを浮かべた。
残忍で激しい描写も多いため、キム監督作品に出演することを躊躇する俳優は多いらしい。だから、オダギリが出演してくれるかどうか心配だったという監督は、人を通じて、eメールで出演依頼をしたという。「その時は、スケジュールがNGという返事でしたが、『あぁ、やっぱり』と思いました。でも、その後『スケジュールの調整ができました』と連絡があり、約1カ月、ほとんど休みナシの撮影を行うことになったわけです」。そしてオダギリの出演が決まった途端、監督の元には韓国のTOP女優たちから「ぜひ出演したい」という連絡が殺到したのだという。
撮影中のオダギリについては、「彼はものすごくシナリオを読み込んでくれて、私が見落としているところにまで気づいてくれるほどでした。それから、今まで15本の映画を撮ってきましたが、ノート・パソコンを現場に持ってくる俳優さんは初めてでした」と監督。けれど、パソコンやメモを駆使し熱心に映画に打ち込む姿に、少し恐くなってしまったとも。その理由を、「演出が気に入らないと、途中で怒って帰ってしまうのではないかと心配していたんです」と教えてくれた。
映画についてオダギリは、「宣伝部から、“オダギリジョーが、本格的ラブストーリーに初めて出演!”という風に宣伝したいと言われたのですが……基本的にラブストーリーを演じることはキライだし、バカらしくなるので、役者としては拒否してきました。でも、この映画にはラブストーリーとは違う側面もあるので、そこを監督と作り上げたいと思い、出演しました。ただ、宣伝文句としてはキャッチーなので、そういうことにしていただければ……」と複雑な笑顔を浮かべる。一方の監督は、「愛の限界、そして人の意識の限界を描いてみたいと思って作りました。悲しい夢なのかも知れないし、夢ではないかもしれない──そんな二重構造の作品です。でも、とても分かりやすい作品なので、ぜひ見に来て下さい」と話していた。
(写真上:キム・ギドク監督[左]とオダギリジョー[右]/下:会見で挨拶するオダギリジョー)
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