5月に入ってからもGW映画は好調だ。『名探偵コナン紺青の拳(フィスト)』は興収85.8億円。前作(最終興収91.8億円)にあと6億円に迫っており、7年連続でのシリーズ最高更新が見えてきた。5月30日に全国13都市20劇場で応援上映が実施され、新記録達成へ弾みがつきそう。
・7年連続のシリーズ最高更新も見えた! 前作17%上回る絶好調『コナン』
『アベンジャーズ/エンドゲーム』は55億円。前作『インフィニティ・ウォー』の37.4億円を超え、シリーズ最高記録を更新中だ。世界興収は26億8300万ドルに上り、歴代1位『アバター』の27億8800万ドルに迫っている。全米興収は8億400万ドルで、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(9億3670万ドル)に次ぐ2位となっている。『キングダム』は48.7億円をあげ、『マスカレード・ホテル』を超えて今年の邦画興収1位を記録。近年流行りのマンガ原作の実写映画化では14年『るろうに剣心 京都大火編』(52.2億円)以来の50億円超えとなり、大成功を収めた。本作は原作の1〜5巻を実写映画化したもので、続編製作にも期待が高まる。
5月公開作1位は『名探偵ピカチュウ』の23.6億円。毎年7月に公開されるアニメ『ポケットモンスター』の近年の興収を見ると、17年『キミに決めた!』35.5億円、18年『みんなの物語』30.9億円。『名探偵ピカチュウ』はハリウッドの実写映画ではあるが、最終的には同程度の興行成績に落ち着きそうだ。
今年は長澤が出演する映画が相次ぎ、いずれも大ヒット。『マスカレード・ホテル』は主演・木村拓哉に協力するホテルのフロントクラーク・山岸尚美、『キングダム』では主演・山崎賢人を助ける山の女王・楊端和を演じている。
3位は『空母いぶき』。主演の西島秀俊は札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡での先行上映会や東京での公開記念舞台挨拶に出席し、PRに尽力した。総理大臣役で出演した佐藤浩市が『ビッグコミック』で答えたインタビューが波紋を呼んだことも話題性の喚起につながったとみられる。(文:相良智弘/フリーライター)
[5月公開作ランキング]
1位『名探偵ピカチュウ』23.6億円
2位『コンフィデンスマンJP』12.1億円
3位『空母いぶき』3.3億円
(5月26日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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