【映画興収レポート/4月】コナンとライダー絶好調、『相棒III』は『アナ雪』余波で苦戦

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『名探偵コナン 異次元の狙撃手』
(C) 2014 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
『名探偵コナン 異次元の狙撃手』
(C) 2014 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

3月下旬〜4月公開作の興行成績をまとめた。4月に入っても好調なのは『アナと雪の女王』だ。3月23日時点の興収は30億円だったが、4月27日時点で121億円。この1ヵ月で売り上げた興収はなんと91億円で、昨年の洋画ナンバーワンヒット『モンスターズ・ユニバーシティ』(最終興収89.6億円)よりも多い。これまでは「2D字幕」「2D吹き替え」「3D字幕版」の3バージョンでの上映だったが、4月26日からは新たに「3D吹き替え版」「みんなで歌おう歌詞付版(2D字幕・吹き替え)」がスタートした。この効果もあり、4月26、27日の週末は7億7400万円を稼ぎ、前週比94%と落ちが少なかった。

大ヒット『アナと雪の女王』、その人気が示す日本人の国民性とは?

4月公開作の1位は『名探偵コナン 異次元の狙撃手』の16億円。公開後9日間での16億円は、前作(36.3億円)と比べて114%。『アナ』の影響は受けていないようだ。『コナン』は昨年の『絶海の探偵』でシリーズ最高の興収36.3億円を記録し、正月に公開された『ルパン三世 VS 名探偵コナン THE MOVIE』は40億円を上回る大ヒットとなり、勢いに乗っている。また原作の重要人物が映画に初登場する話題性もある。このペースで動員を伸ばせば、昨年のシリーズ最高を上回る新記録樹立となりそうだ。

2位は『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』の9億円。正月に公開された『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』の最終興収10億円にあと一歩と迫っている。仮面ライダー1号/本郷猛を演じた藤岡弘、が出演したり、「スーパー戦隊」シリーズからもヒーローが参戦することが話題となり、動員を後押ししたようだ。

同じく2位が『白ゆき姫殺人事件』の9億円。美人社員殺人事件をめぐる湊かなえの原作を井上真央主演で映画化したサスペンスだ。邦画実写としては、同じ時期の3月下旬に公開された『神様のカルテ2』『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』を上回るヒットとなった。シリーズ2作が飽きられてか、観客は新鮮な『白ゆき姫』に足を運んだようだ。井上真央や綾野剛らが数多くのバラエティ番組に出演してPRした効果もあった。

特に『神様のカルテ2』は前作18.9億円の半分にも届かない不振ぶり(4月27日時点で7億4400万円)。根強い人気を誇る櫻井翔ファンをうまく取り込めていないようだ。

ところで、4月26、27日の週末は、映画関係者がヒットに期待を寄せる新作3本が公開された。前作が興収59・8億円を記録した『テルマエ・ロマエ?』は興収が前作比で113.5%という好調な出足を見せたが、『アメイジング・スパイダーマン2』(前作が31.6億円)は前作比で72.3%と伸び悩み。『相棒−劇場版III− 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』(前作が31.8億円)は前作が木曜初日のため比較はできないが、『アメイジング・スパイダーマン2』を下回る出足となっているので、こちらも伸び悩んだ。

『アメイジング・スパイダーマン2』の公開に合わせて日本テレビ系「金曜ロードSHOW」で1作目、『相棒−劇場版III−』に合わせてテレビ朝日系「日曜洋画劇場」で1・2作目を2週連続で放映したが、新作への動員効果は弱かったようだ。

ちなみに、新作3本より『アナ』『コナン』の方が興行成績は良かった。前作より下回った『アメイジング・スパイダーマン2』『相棒−劇場版III−』は、『アナ』の影響を受けているのかもしれない。(文:相良智弘/フリーライター)

[3月下旬〜4月公開作ランキング]
1位 『名探偵コナン 異次元の狙撃手』16億
2位 『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』9億
2位 『白ゆき姫殺人事件』9億
※『アナと雪の女王』121億
(4月27日時点。ムビコレ調べ)

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