『ロード・オブ・ザ・リング』のヴィゴ・モーテンセン、日本人カメラマンの行儀の良さにびっくり!
『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の勇者アラゴン役でブレイクした個性派ヴィゴ・モーテンセン。彼が、17世紀スペインを舞台にした主演作『アラトリステ』のプロモーションのため来日し、1日、都内で記者会見を行った。
落ち着いたトーンで、言葉を選びながら話す姿に知性がにじみ出るヴィゴ。愛する女性にプレゼントを贈るシーンにかこつけての自身の“プレゼント体験”に関する質問には、「プライベートなことなので……」と苦笑いしながら回答を避け、「自分で見ても美しいと思える、胸が切なくなってしまうシーンです」とコメント。相手役のスペイン人女優アリアドナ・ヒルを「ワンダフルアクター!」と絶賛し、上手くかわしていた。
『アラトリステ』には彼の息子も出演。ヴィゴが扮する主人公・アラトリステに殺されてしまうオランダ兵という役どころだが、息子には「演技だからいいけど、本当に殺すんだったら許さないよ、お父さん!」と言われてしまったと笑っていた。ちなみに息子は大の日本びいきで、日本語の読み書きにも通じているという。宮本武蔵についても教えてくれたそうで、孤高の剣士アラトリステは、「宮本武蔵に似ていると思った」と話していた。
英語以外に5カ国語をあやつり、また、息子の影響か日本語もなんとなく理解している感じのヴィゴ。日本語で息子について質問された時には、英訳される前に「息子についての話?」と答えるなど、語学センスの見事さをかいま見せる瞬間も。少年時代に南米で暮らした経験があることから、今回の全編スペイン語のセリフにはあまり苦労はなかったという。「セリフが日本語だったらとても難しいけれど(笑)、スペイン語ならそれほど苦労はしません。でも、南米とスペインでは少し発音が違うし、17世紀の言葉も今とは少し違うので、そのあたりは想像力を働かせることが必要でした。また、どの地方の出身なのか、どんなリズムで話すかにも心を配りました。実は英語よりもスペイン語を話す方がラクな時もあるんです。スペイン語の方が、より気持ちを込めることができるような気がします」と、外国語の苦手な日本人にとってはうらやましくなるようなコメントもしていた。
父親がデンマーク人で母親がアメリカ人。ベネズエラ、アルゼンチン、イギリスなど様々な国に暮らした経験を持つ彼は、“文化の違い”にも敏感らしく、「撮影はここまで」という司会者の一言でピタリと撮影をやめる日本のカメラマンの行儀の良さを見て、「スペインやアメリカ、イギリスだったら、すぐに撮影をやめたりしないし文句も出るけど……文化の違いを感じました」と感心した様子だった。
映画については「友情のためにどこまで犠牲をはらえるかを描いた映画。これは、古典にもなりうる作品だと思っています」と話していた。
(写真:記者会見でのヴィゴ・モーテンセン)
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