【今週公開の特選5本】アメリカ版『北の国から』、『アメリ』監督最新作など個性派監督の力作がそろい踏み!
今週は、映画ファン必見の実力派・個性派監督の作品が公開。特にリチャード・リンクレイター監督が12年かけて撮影した『6才のボクが、大人になるまで。』に大注目。『天才スピヴェット』、『デビルズ・ノット』も見ごたえたっぷり。
『6才のボクが、大人になるまで。』
〈映画で人生を追体験したい人に〉
6才の少年が大人に成長するまでの記録と家族の軌跡を、『ビフォア・ミッドナイト』のリチャード・リンクレイター監督が実際に12年かけて撮影し、世界の映画祭で高評価の話題作。子供から多感な思春期を経て成長する少年、歳を重ねていく父(イーサン・ホーク)と母(パトリシア・アークエット)など、虚飾を削ぎ落とした演技はこの上なくリアル。見る誰もが歳月の流れを体感し、自分の人生と重ね併せて共感できるという稀有な作品だ。
・[動画]『6才のボクが、大人になるまで。』予告編
『天才スピヴェット』
〈“家族の絆”という言葉に気恥ずかしさを感じる人に〉
『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督がラルフ・ラーセンの冒険小説を自身初の3D映画化。双子の弟の死をきっかけに家出し、バラバラになった家族の再生を願う10歳の天才科学少年の葛藤と成長を描く。主演カイル・キャトレットの天才子役ぶり、そしてユーモアとイマジネーション溢れるジュネ監督ならでは世界観に注目。
・[動画]『天才スピヴェット』予告編
『デビルズ・ノット』
〈お化けより人間のほうが怖いと思っている人に〉
全米を揺るがした衝撃の未解決事件を、『スウィート・ヒアアフター』のアトム・エゴヤン監督が映画化。田舎町で3人の児童が殺される猟奇殺人事件が発生。犯人として逮捕された10代の若者3人をめぐり、事件の裏側に迫るサスペンス・ミステリー。コリン・ファース、リース・ウィザースプーン主演。
・[動画]『デビルズ・ノット』予告編
『紙の月』
〈お金で愛を買えるかも?と思う人に〉
NHKでドラマ化もされた人気作家・角田光代のベストセラー小説を『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が疾走感溢れるタッチで映画化。年下の大学生との不倫を機に巨額横領事件を引き起こしていくヒロインの女性銀行員を、宮沢りえが華麗かつ痛快に体当たり熱演。今年の東京国際映画祭で最優秀女優賞・観客賞を受賞。
・[動画]『紙の月』予告編
『TATSUMI マンガに革命を起こした男』
〈劇画をもっと知りたいあなたに〉
昭和30年代に『劇画』を生み出した伝説の漫画家、辰巳ヨシヒロの半生を、彼の作品に深い愛情を持つシンガポールのエリック・クー監督が描き、アカデミー賞シンガポール代表作品に選ばれた1本。原作を再現した劇画タッチのアニメーション等、他に例をみない異色作。手塚治虫との出会いや創作活動秘話も興味深い。
・[動画]『TATSUMI マンガに革命を起こした男』予告編
(文:丸山けいこ/映画ライター)
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