1987年に出版されてから現在までに1079万部を売り上げ国内小説発行部数歴代1位を記録するほか、世界で36言語に翻訳されるなど国内外で人気を博し続けている村上春樹の小説を映画化した『ノルウェイの森』。その記者会見が11月23日にロケ地でもある早稲田大学の大隈講堂で行われ、松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子、霧島れいか、初音映莉子、玉山鉄二、トラン・アン・ユン監督が出席した。
『ノルウェイの森』記者会見フォトギャラリー
菊地凛子、直子役を無理矢理もぎ取ったことを告白
主人公ワタナベを演じた松山は挨拶で、「言葉では言い尽くせないすごい作品になっています。自分たちが言うのもなんですが、お芝居も完璧だと思います」と自信をのぞかせた。
この日、一番のやる気を見せたのは東大生・永沢を演じた玉山。恋人のハツミを演じた初音の挨拶時に順番を間違えて起立し、挨拶する気が満々。司会から指摘されるまで間違いに気づかず「メチャメチャ気合いが入っています(笑)」と言い訳すると、松山や菊地はバカ受けし、お腹を抱えて笑い転げていた。
その後、改めて正しい順番で挨拶した玉山。「今まで、オーディションで玉木宏や妻夫木君にことごとく負けて(笑)」と過去の挫折を明かしてから、「8年ぶりくらいにオーディションで大きな役を手に入れることができて、本当に良かった。ハンカチ王子ではないのですが、『僕は持っているな』と思いました」と笑顔を浮かべた。
これに関連し、撮影中に「持ってるな」と思った瞬間について聞かれた松山は「この作品に出させてもらえたこと、それにつきます」とコメント。さらに主人公が少年から大人へと成長していく狭間の話であることに触れ「僕自身も少年から大人の中間地点にある時期に、この役に出会えたこと」と言葉を足した。
『青いパパイヤの香り』など独特の美意識に貫かれた世界観が印象的なトラン監督作品。本作の演出でも研ぎ澄まされた美意識が十分に発揮されていたようで、松山は「自然なものを自然に演じるというのが決して正解ではないということを、監督から学びました。本作にはないのですが、例えば吐くシーンがあったらキレイに吐けよというのが監督の演出なんです」と説明。
また草原で転ぶシーンを撮影したエピソードを挙げ、「ここでそういう自然さは必要ない。もっと貴族っぽく転んでくれ」と言われたと松山。「すごい演出の仕方をする監督だと思い、自分なりに貴族ってものを表現し、かろうじてOKをいただいた」と振り返ったが、残念ながらそのシーンはカットになったという。
劇中でワタナベが「君にとって愛って何?」と問いかけるシーンがあるが、それにちなみ、「愛」について質問された登壇者たち。
松山は一度は答えを「パス」したものの、「愛とは忘れないこと」と回答。玉山は「自分の気持ちをフラットにしてくれるものというか、ときにはピュアにしてくれたり」と言ってから「何と言うか……わかんねぇな」とパス。
続いて、この日の最年長キャストである責任感を口にした霧島が「自分でコントロールできないものかなって思います」としっかりと答え、水原は「すべてにおいて重要なもの。恋愛においても仕事においても重要だと思いますけど、まだ分かりません」と控えめな回答。
さらに初音が「まるで宇宙の謎」と答えると、菊地も「まるで宇宙の謎」と同じ答えを繰り返してから「本当に分からないですね。許すこと、与えることという部分はとりあえずあると思うけれど、簡単に言葉にはできないことなのでパス!(笑)」と、難しい質問であることを示唆していた。
『ノルウェイの森』は12月11日より全国公開される。
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