手塚治虫の渾身作をアニメーション映画化した『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』の完成披露試写会が5月11日に丸の内TOEIで行われ、声優をつとめた吉永小百合、堺雅人、観世清和、吉岡秀隆、観世三郎太と森下孝三監督が舞台挨拶に登壇した。
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最初にメインテーマを担当した尺八奏者の藤原道山が登場。オリジナル曲「東風(こち)」とメインテーマの2曲を披露し、聴衆を魅了した。その後、声優陣が登壇。吉永は「昔から大好きだった手塚治虫さんの作品に関わることができてとても嬉しい。素敵な息子(を演じた)堺雅人さんとワクワクしながらスクリーンを見つめ、演じさせていただきました」と挨拶した。
続けて堺が、壮大なスケールの物語なので心配と喜びとが入り交じった思いを胸に参加したと挨拶。声優初挑戦という黒谷は、「戸惑うこともありましたが、みなさんのお力を借りてなんとかつとめることができました」と感謝を述べた。
ブッダ(シッダールタ)の声をつとめた吉岡は、「さきほど後ろに控えていたらスタッフの方に間違えられて」と打ち明けて客席を沸かせ、「こんな僕でもブッダができるんだろうかと恐れ多い気持ちです」と謙遜。実は彼をスタッフと間違えたのは司会で、舞台袖に戻ったときにマイクを預けようとしてしまったのだとか。司会は「暗かったので」と言い訳しつつ、「すみませんでした」と恐縮していた。
また、能楽観世流二十六世家元の観世清和は息子の三郎太と共に声優に挑戦しているが「能以外のジャンルに出演するのはこれが初めて」と少々、緊張気味。「普段は稽古をつける側ですが、録音のときは助監督の先生からお稽古をつけていただき、なんとか収録できました」と、いつもとはまったく違う立場での初体験を振り返っていた。
舞台挨拶の様子は北海道から鹿児島に至る全国各地の劇場でも中継されていたが、吉永は「福島や名取(宮城)でも上映されるということで、とても嬉しく思っております」と、東日本大震災の被災地の人々に呼びかけた。また、一昨日、名取市を訪れたと明かし、「信じられないような光景が、まだ港にも田畑にもありました。本当に大変なことが起こったんだという風に感じ、これから長くサポートしていかなければと強く感じた」と目を潤ませた。そして「子どもの頃から映画に励まされて生きてきました。スポーツや音楽と共に、映画が震災で傷ついた方々の心を、少しでも癒すことができたらと切に願っております」と客席に語りかけていた。
その後、X JAPANが担当した主題歌の映像を上映。Yoshikiからの「監督の森下さんとは以前から親しくさせていただいた経緯もあり、お話をいただいた時点で引き受けたいと思っていましたが、原作を読ませていただき、作品における音楽の重要性を確信し決断しました。アニメーションがとても美しく、実に興味深い作品だったこともあり、自然と力が入りました。今回の主題歌『Scarlet Love Song』は、X Japanの楽曲としては久しぶりのバラード。ぜひ映画と一緒に楽しんでください」というメッセージも読み上げられた。
『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』は5月28日より丸の内TOEIほかにて全国公開される。
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