これぞハリウッド! そんな風に思わせてくれるのが、『トランスフォーマー』シリーズ3部作の完結編となる『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』だ。7月29日に封切られたこの映画で、とにかく目を奪うのがスピーディーで迫力あるアクションシーン。それがシリーズ初となる3Dで見事に描かれているのだ。だが今回、この映像以上に心惹かれたのがドラマ性。一体、どんな作品に仕上がっているのか? その魅力をご紹介しよう。
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物語はアポロ11号の月面着陸と絡めながら進行していく。1969年7月20日、ケネディ宇宙センターから多くのスタッフが見守るなか、アームストロング船長らは人類で初めて月面に降り立つ。映画は、この歴史的偉業の裏で、あるミッションが行われていたという切り口で始まる。
このとき月の裏側には、遥か宇宙の彼方からやってきたトランスフォーマーたちの地球侵略の足がかりとなる宇宙船が不時着していたのだ。アポロ11号は秘密裏にそれを調査し、一部の物体は資料として地球に持ち帰っていた。だがこの事実は、NASAも米国政府もひた隠しにしていた。
一方、現代のアメリカでは、社会人になったサム(シャイア・ラブーフ)が、新恋人のカーリー(ロージー・ハンティントン=ホワイトレイ)と一緒に暮らしている。サムは就職活動中で、カーリーにはいろいろと世話になっている。それは平穏な日々であったが、その裏でトランスフォーマーたちによる地球侵略が再び始まろうとしていた──。
映画は前2作同様、「地球を守ろうとする人類と、人類に好意的なトランスフォーマーによる連合軍」対「地球侵略を目論むトランスフォーマー軍団」の壮絶な戦いを描いていく。途中、登場するカーチェイスや、ちょっとしたバトルシーンは、まだまだほんのジャブ程度。今回、最大の見どころとなっているのがシカゴを舞台にしたクライマックスの戦闘シーンだ。
圧倒的な優位に立つ悪のトランスフォーマー軍団に対し、為す術もない人類。人類存亡の危機が訪れるなか、サムや仲間たちは、愛する人や愛する地球を守るために決死の戦いを続けていく。
普通だったら、こうしたヒーローのような活躍には突っ込みを入れてみたくなるもの。だが、その活躍ぶりを素直に楽しめ、かつ感動できるのは、冒頭に登場するアポロ11号のシーンがあるから。人類史上初の月面着陸という歴史的事実とSFを融合させたことで、ドラマの厚みが増し、リアリティが出てきているのだ。
また、前2作でサムの恋人役を演じていたミーガン・フォックスに代わって、本作でサムの恋人役に抜てきされたロージー・ハンティントン=ホワイトレイも魅力的だ。ロージーは1987年生まれの24歳。ファッション界で活躍するトップモデルの1人で、ヴィクトリアズ・シークレットの下着モデルもつとめている。本作のヒロインに抜てきされて以降は、人気もさらに上昇中で、今年は、男性誌「MAXIM」が発表した“世界で最も美しい女性100人”と、男性誌の「FHM」が発表した“世界で最もセクシーな女性100人”で、共に1位に選ばれている。
ミーガンのような小悪魔的な魅力はないが、セクシーさではミーガン以上。そんなロージーの初登場シーンは、下着姿のお尻のアップ! しかも3Dなので、男性陣には嬉しい限りだ。
もちろん、本作にも欠点はある。人類側に立つトランスフォーマーと、侵略側のトランスフォーマーが格闘するシーンでは、トランスフォーマー同士がめまぐるしく動いてしまうため、どっちが味方でどっちが敵かわからなくなることがしばしば。だが、そんなことが気にならないくらい本作のアクションは、手に汗握る迫力あるシーンに仕上がっている。
本国アメリカでは、すでに3億3192万ドル(265億円/7月28日現在)を超える大ヒット中。これを受け、スタジオ側はさらなる続編製作に向け動き出したとアメリカのメディアは報じている。
原発の影響もあって、節電を強いられているこの夏。アドレナリンを放出させながら楽しめ、スカッとさせてくれる本作は、じめじめした暑さを吹き飛ばすのに最適の1本だ。(文:ムビコレ編集部)
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