7月16日に全国97スクリーンで公開。直後の7月19日に主演の原田芳雄が惜しまれつつも71歳で逝去するという悲しい出来事が襲った『大鹿村騒動記』。だが、その後も銀幕でオーラを発し続ける原田の姿を見ようと、大勢の観客が劇場へと足を運び、8月7日時点で公開規模も170スクリーン以上と拡大。動員15万人、興収1億5000万円と大ヒット中の本作。
・原田芳雄が逝去。7月11日には主演作舞台挨拶に車椅子で登壇も
・『大鹿村騒動記』ヒット御礼舞台挨拶、その他の写真
その大ヒット御礼舞台挨拶が8月8日に丸の内TOEIで行われ、大楠道代、松たか子、佐藤浩市、石橋蓮司、阪本順治監督が登壇。亡き原田を偲んだ。
大楠は「この映画の公開と同時に、私たちは悲しいことに遭遇し、ずっと心が晴れない日が続いておりましたが、こうやって映画がヒットしていることや、この映画の評判がとてもいいことを、原田芳雄さんにご報告できることがとても嬉しく思っております」と挨拶。
佐藤は「この映画はベテラン勢の軽妙な演技と、何の奇抜さもない阪本順治監督の王道演出で(笑)、本当に安心して楽しめる映画。こういう映画を残して芳雄さんはあちらに逝かれた」と原田を偲んでいた。
松は「公開してしばらく時間が経ちますが、こうやって再びみなさんに感謝の気持ちをお伝えできる」とこの日の舞台挨拶に登壇できた喜びを語ると、「本当に夢のような数か月でした」と撮影の日々を振り返っていた。
石橋は「今日は朝から、私と同年配の方もたくさんいらしていただきありがとうございます。原田芳雄も大変喜んでいるかと思います」と話すと、「普段(撮影現場で)役者同士が付き合ったりしないが、この映画では、本当に役者同士がいつも一緒に顔を合わせて仲良くさせていただいた。それも精神的な村長の(中心にいた)原田芳雄のおかげだと思っております」と口にしていた。
また石橋は、司会の阪本監督から「連日、朝まで宴会を開いて旅館の方にご迷惑をかけていた」と指摘されると、「あくまでもこの映画をよくするため。みんなも非常にきつい状態だったので、どういう風に明日の撮影につなげていくかということを、仕事が終わってからも朝までやっていて非常に疲れた」と釈明し、観客を笑わせていた。
一方、阪本監督は「以前、ある飲み屋である俳優さんと殴り合いのケンカをしたときに、芳雄さんに止めてもらった。また、芳雄さんの家で、別の俳優さんにケンカを売ったときも芳雄さんに止められた」と、原田に何度も迷惑をかけてきたことを告白。続けて「その最初に殴り合いをした俳優さんは、絶対この壇上にはおりません」と強調。それを聞いていた佐藤が苦笑いをし、2人のケンカに原田が割って入ったことを匂わせていた。
最後に原田が劇中でかぶっていたテンガロンハットが登場。マスコミ向けの写真撮影で、その帽子を手にした大楠は「帽子の主も今日来ております。ありがとうと言っております」と話すと、時折帽子に目を落としていた。
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