地球に生きるすべての生命と、これらを生みだした宇宙の未知の力にただ驚き、その美しく迫力ある映像に見入ってしまう。イギリスBBC製作のネイチャードキュメンタリー『ライフ ―いのちをつなぐ物語―』は、すべての人におすすめできる1本だ。
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地球には、海の深いところ、空の高いところ、荒野のはて、氷の上、あらゆる場所に生命が暮らしている。私たちがふだん目にすることのない動植物にも、日々の営みがある。冒頭に登場するのは、南極のウェッデルアザラシ。愛らしい母子の姿。しかし、カメラが引くと、広大な氷の地にポツンと2頭だけでいることがわかる。なぜこんなところに? こんな過酷な環境でどうやって生きていくの? 母アザラシは穏やかな環境ではなく、あえて誰もこない極寒の氷の地を選んで出産し、赤ん坊を外敵から守っているのだ。
海の中ではミズダコが、半年間、何も食べずに卵を守っている。ミズダコの寿命は、資料によると2〜3年だという。そのうちの半年を、母タコはひたすら卵に新鮮な水を吹きかけて過ごし、卵がかえるころには力尽きて死んでいく。ミズダコの子育てについて、私は以前、元春日大社宮司で故人の葉室頼昭氏の著作「神道と日本人」を読んで知り、その命がけの母性に感動するとともに、自分を省みて恥ずかしく思ったものだ。私はこんなに一生懸命に子育てしているだろうか、と。本作でミズダコの映像を見て、乳白色の葡萄の房のような卵と命尽きて倒れる母タコの美しさにあらためて心打たれた。
映画では、一日中ヤシの実を割り続けているフサオマキザルや、水たまりにいる自分の子どもたちにせっせと餌を運ぶイチゴヤドクガエルなど、さまざまな動物を紹介している。動物たちはきっと何も考えずに、日々与えられた命を生きているのだろう。自分を守り、子を守り、種を守るために、ユニークなそれぞれの方法と知恵を使って。そのひたむきな姿は、本能的な愛の偉大さをストレートに訴えかけてくる。
欲をいえば、ひとつひとつのエピソードをもっともっと長く見ていたかった。それくらい、それぞれの生命の仕組みや知恵は緻密で面白く、素晴らしいのだ。
『ライフ ―いのちをつなぐ物語―』は9月1日よりTOHOシネマズ 日劇ほかにて全国拡大公開される。(文:秋山恵子/フリーライター)
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