第24回東京国際映画祭の特別招待作品にも選ばれた新作『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』を携え、5年ぶりに来日したヴィム・ヴェンダース監督が、10月27日に被災地・福島を訪問した。
故・小津安二郎監督を敬愛し、『東京画』という映画も監督するなど、日本好きでも知られるヴェンダース監督は、今年3月11日の震災後すぐに福島フォーラムのホームページに「日本映画の巨匠たちから多くを得て学んだ映画人として、そして日本文化の熱狂的なファン、友人として、日本を襲った困難に対してこれ以上ないほど打ちのめされています」とコメント。可能な限り早く日本を訪れ、無料で映画を上映し、被災地域の方々と語り合いたいという思いを伝えていた。
今回、来日が実現するに当たって、ヴェンダース監督がリクエストしたのも「来日するなら必ず東北エリアに行き、『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』を上映したい」ということ。その思いが届き、妻のドナータと福島を訪れたヴェンダース監督は、福島フォーラムでの『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』無料上映前に、計画的避難区域に指定され無人となった福島県飯舘村を訪問。設置されたガイガーカウンターが示す放射能の数値を見て、景色は美しいままなのに変わってしまった現実を直視しショックを受けた様子だった。
その夜、福島フォーラムで行われた舞台挨拶では、「私はどうしたら、みなさんの助けになりますか?」と問いかけたヴェンダース監督。観客のなかには涙を流す人もおり、監督と抱き合うシーンも見られた。
最後にヴェンダース監督は、飯舘村を訪れショックを受けた旨を話すと、「2度とこのようなことがあってはいけないと、世界に知らせる責任がみんなにあると思います。その責任をみんなが全うするという気持ちでいるなら、私はどんなことでも手助けしたい。私はみなさんと会話を続けるべきであり、これからも話し合って行きたいと思っています」とのメッセージを発した。
さらに続けて「『カサブランカ』の最後のシーンにあるように、今日がこれからの友情の第一歩だと思っています。みなさんとの友情をここで築けたので、今後も続けていきたいと思います。今日は最後の福島訪問ではなく、初めての、1度目の訪問です。これからも、ぜひ受け入れてください」と結んでいた。
『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』は2012年2月25日より全国順次3D公開となる。
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