『殺人の追憶』『グエムル−漢江の怪物−』などで国際的に高く評価されている韓国の鬼才ポン・ジュノ監督の、長編としては3年ぶりとなる待望作『母なる証明』。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されたこの作品が5月16日にカンヌで上映され、キャストのキム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グと監督がレットカーペット・セレモニーに登場した。
せい惨な女子高生殺人事件の容疑者となり身柄を拘束されてしまった息子。その容疑を晴らすために真犯人を追う母親の姿を、スピード感あふれる映像で描いたエンターテインメント・サスペンスで、人間描写の素晴らしさと衝撃のラストが秀逸。上映後は満席の場内で大きな拍手が巻き起こり、5分以上もスタンディングオベーションが続いたという。
後日行われた合同インタビューで監督は、「撮影中に苦労をかけた俳優たちと幸せな瞬間を分かち合うことができて、とてもステキだった」とコメント。“韓国の母”と呼ばれる国民的大女優キム・ヘジャは、「心からの拍手喝采だと伝わり感動しましたし、ホッとしました」。ウォンビンは、「観客のみなさんとつながった気がしたし、心から祝福されていると感じました。エンディングは苦悩の哀愁に満ちていて、演じたときの感情が再び戻ってきてしまい、胸が苦しくなりました」と話していた。
容疑者となる息子をウォンビンが、その母をキム・ヘジャが演じたが、役作りについて、「撮影前、(撮影中に)ウォンビンとは呼びにくいから、役名で呼ばせてと言ったら、彼からも“お母さん”と呼ばせて欲しいと言われました」とキム。ウォンビンも「キムさんからは無償の愛を注がれているような気がします。常に母親のようにふるまってくれて、瞳の中に愛を感じるから、(僕も)自然に息子のように振る舞ったりできるんです」とコメントし、「2人の絆は自然に存在しています」と続けた。
ウォンビンにとっては兵役後、初の映画となる本作。偉大な監督の作品に出演した感想について「若き天才監督からのオファーだったので、感謝の念でいっぱいでした。さらに心が動かされたのは、今まで演じてきたキャラクターとは全く違う役だったから。20代、30代と、俳優はその時々にできる役・やりたい役があって、年を重ねる毎にどんどん変化してきます。自分にとって、兵役によって4年間映画から離れて良かったのは、自分の中にあるものを空ににできたこと。この4年間は、大変貴重な時間でした。今は、『何でもやってやるぞ!』という気持ちになっています」と、復帰後の抱負を語った。
『母なる証明』は今秋よりシネマライズほかにて全国公開される。
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