三谷幸喜監督の最新作『清須会議』の製作発表記者会見が12月20日に東宝スタジオで開かれ、キャストの役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市、鈴木京香、妻夫木聡、中谷美紀、浅野忠信、伊勢谷友介、剛力彩芽、寺島進、でんでん、坂東巳之助、梶原善、市川しんぺーと三谷監督の、総勢16名が登壇した。
三谷監督にとって6作目となる本作は、日本史上初めて、会議の席上で歴史が動いたと言われる清洲会議を三谷監督ならではの視点で描いた歴史エンターテインメント。清洲会議は、本能寺の変による織田信長の死を受け、信長の後継者を選ぶ目的で尾張の清洲(須)城で開かれたもので、名乗りを挙げたのは織田家家臣の柴田勝家と羽柴秀吉。
三谷監督は小学生のときに本を読んで面白いと思って以来、いつかは清須会議を映画化したいと思っていたそうで、理由については「会議の席上で初めて歴史が動いた瞬間と言われていて、そこにすごく惹かれた。戦国時代ももちろん胸が高鳴るものを感じていたんですけど、戦(いくさ)じゃなくて話し合いで歴史が動いたっていうことに、子どもながらにトキめいた」と説明。映画化にあたっては、衣装やメイクにこだわったと話した。
清須会議の当事者の1人である柴田勝家を演じたのは役所。三谷組は『THE 有頂天ホテル』から7年ぶりとなる役所は「7年ぶりに呼んでもらったんで、ああ、捨てられてなかったな思ってました」とコメント。
もう1人の当事者である羽柴秀吉を演じた大泉は「前回の三谷監督の『ステキな金縛り』という映画では、エンドロールで『勝訴』という紙を持つ男の役で、ほんのちょっと出てしまったんですけど、今回は秀吉役で随分とステップアップをさせてもらいました」と挨拶。
一方、大泉は、三谷監督のもと史上類を見ない薄毛の秀吉役に挑むことになった心境を聞かれると「台本を読むと秀吉は大変な策士で、自分のなかではかっこいい秀吉を想像しすぎていたものですから、最初にこうなりますという完成図を見せられたときには愕然としました。(『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくる)ぬらりひょんみたいになっていたので」と話し笑いを誘った。
これに対し三谷監督は「別にふざけた顔にした訳ではなくて、秀吉は織田信長から『禿げネズミ』と呼ばれていたと記録に残っているんです。でも、大河ドラマも含めて今までに、誰1人禿げネズミっぽい秀吉がいなかったのが、僕はすごい不満だった」と述べると、大泉は「(それで)白羽の矢が私に立ちました。私が起用された意味がわかってきました」と語った。
また、三谷監督は、記者からの「見た目では史実を重視していると思いますが、史実とフィクションのバランスをどのようにとったか?」という質問に対しても、「フィクションの部分も多々あるので、自分なりの解釈で作っているんですけど、1番今回気をつけたのがビジュアルですね」と回答。「時代劇とか歴史ドラマを見ていて、ビジュアルにこだわったものがそんなにないと歴史ファンとしてもどかしさを感じていました。(史実では秀吉が)禿げネズミなのに、なんで禿げネズミじゃないんだろうとか、明智光秀は『金柑頭』と信長から呼ばれていたのに、なかなか金柑頭の光秀を見たことがない、そもそも『金柑頭』って何なんだろうと思って、僕なりの金柑頭を作ってみたんです」と明かすと、その後も、三谷監督流のこだわりを滔々(とうとう)と述べていた。
『清須会議』は11月1日にクランクイン、12月下旬にクランクアップで、2013年11月より全国東宝系にて公開予定だ。
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