『クレイマー、クレイマー』と『レインマン』で2度に渡ってアカデミー賞主演男優賞に輝いた名優ダスティン・ホフマンが、監督に初挑戦した映画『カルテット!人生のオペラハウス』を引っさげ来日。4月8日にイイノホールで行われたジャパンプレミアでは、思わず涙ぐむ場面も見られた。
本作は、オペラ「椿姫」で有名な音楽家のヴェルディが建てたイタリアのミラノに実在するホーム「ヴェルディの憩いの家」をモデルにした笑いと涙の感動作。引退した音楽家たちが、自分たちが暮らす音楽の館「ビーチャム・ハウス」の存続をかけ結集し、奮闘する姿を描き出す。
この日は、作品にちなみ100人のシニア合唱団や日本を代表するオペラ歌手・中丸三千繪をゲストに迎えた「歌う! ジャパンプレミア」が実現。中丸に呼び込まれたホフマン監督は、「この映画に関わり始めて3年経ちます。この映画のプロモーションは既に終わったかなと思っていましたが、このような素晴らしい歓迎を受け、もっとこの映画が広がればいいなと思います」とコメント。
初監督について尋ねられると、「昔から興味はあったのですが、勇気がなかったというか、なかなかチャンスもありませんでした」と話すと、「たまたま、エマ・トンプソンと共演の映画を撮影していたときに、カメラマンが脚本を持ってきて『監督が抜けてしまったのだが、興味ない?』と言うので、脚本を読んでみて感動しました。引き受けるべきか迷い、妻に相談したところ『監督しないのなら、あなたと離婚するわ』と言われ、僕も『この映画が成功しなかったら、僕から離婚してやるよ』と言い返しました(笑)」と話した。
また、本作には引退したオペラ歌手やジャズ奏者らが出演しているが「彼らはまだ歌えるし演奏できるのに、20年間も仕事を与えられなかった。日本では違うかもしれませんが、欧米では年老いた人に仕事を与えず、リスペクトしない文化があります」と説明。
そんなキャスト陣が、本作への出演を名誉に思ってくれ、朝6時に撮影現場にやって来て、1日12時間以上も付き合ってくれたと明かすと「彼らがいてくれたから、この映画ができました」と思いを口にし、そのまま感極まったのか、目頭を押さえて涙ぐんでいた。
『カルテット!人生のオペラハウス』は4月19日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国順次公開となる。
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