第66回カンヌ国際映画祭で福山雅治主演作『そして父になる』が審査員賞受賞の快挙
5月26日(現地時間)、第66回カンヌ国際映画祭が閉幕し、是枝裕和監督の『そして父になる』が審査員賞に輝いた。最高賞のパルムドールは、公式上映直後から本命視されていた『La vie d’Adele Chapitre 1 & 2(原題)』が受賞した。
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パルムドールを発表する際、審査員長のスティーヴン・スピルバーグが「例外として3人のアーティストに贈る」と、作品名と共にアブデラティフ・ケシシュと主演女優のアデル・エグザルショプロース、レア・セドゥの3人の名前を発表。青い髪の年上の女性と恋に落ちる少女の物語で、アデルを演じたエグザルショプロースは19歳の新人。ステージ上で抱き合って喜ぶ3人は、観客席からの大喝采に包まれた。
6年前に誕生した子どもが病院で取り違えられていたことが明らかになり、他人の子を育ててきたと知った男性の葛藤を描いた『そして父になる』については、フランスのニュースチャンネル「France 24」の記者が「作品を見たニコール・キッドマンが涙したと聞いた」と審査員からの好感触の情報をブログに綴っていた。受賞スピーチに立った是枝監督は映画祭と審査員、先に帰国した主演の福山雅治をはじめとするキャスト、スタッフに感謝を述べた後、「父と子の物語を作るきっかけとなった亡き父と母に、僕を父親にしてくれた妻と娘に感謝します」と語った。
男優賞は、アレクサンダー・ペイン監督作『Nebraska(原題)』のブルース・ダーン。100万ドルの宝くじを当て、モンタナからネブラスカを旅する老人を演じた。76歳のダーンに代わって、ペイン監督が賞を受け取った。
女優賞は、前日にエキュメニカル賞を受賞し、パルムドール賞受賞を有力視されていたイランのアスガール・ファルハディ監督の『Le passe(原題)』のベレニス・ベジョ。一昨年、ジャン・デュジャルダンが男優賞を受賞した『アーティスト』でヒロインを演じたべジョは、本作でイラン人の夫と離婚を控えたフランス女性を演じている。
監督賞は、メキシコの『HELI(原題)』のアマト・エスカランテ。昨年のカルロス・レイガダス(『闇の後の光』)に続いてメキシコの監督が2年連続の受賞となった。
審査員特別グランプリはコーエン兄弟の『Inside Llewyn Davis(原題)』。先に帰国したコーエン兄弟に代わって、主演のオスカー・アイザックとプロデューサーが賞を受け取った。60年代のニューヨークが舞台で、売れないシンガーソングライターを中心に当時のフォーク・シーンを描き、コーエン兄弟は2001年の『バーバー』(監督賞)以来、カンヌで4度目の受賞を果たした。
脚本賞は『A Touch of sin(英題)』の監督でもあるジャ・ジャンクーが受賞。製作会社であるオフィス北野、プロデューサーの市山尚三氏に感謝を述べた。新人監督賞にあたるカメラドールはシンガポールのアンソニー・チェン(『ILO ILO(原題)』)に輝いた。
前日発表になったエキュメニカル賞でも特別表彰された『そして父になる』と並んでコンペティション部門に出品された三池崇史監督の『藁の楯』、短編コンペティション部門出品の佐々木想監督の『隕石とインポテンツ』は残念ながら無冠に終わった。
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