【AKB総選挙2013】総論:総選挙で浮き彫りになった「世代交代」と「地方組の躍進」

選抜メンバーたち(松井珠理奈は時間の都合で撮影に不参加)。前列左から柏木由紀、大島優子、指原莉乃、渡辺麻友、篠田麻里子、松井玲奈。後列左より渡辺美優紀、横山由依、板野友美、小嶋陽菜、高橋みなみ、宮澤佐江、島崎遥香、山本彩、須田亜香里
選抜メンバーたち(松井珠理奈は時間の都合で撮影に不参加)。前列左から柏木由紀、大島優子、指原莉乃、渡辺麻友、篠田麻里子、松井玲奈。後列左より渡辺美優紀、横山由依、板野友美、小嶋陽菜、高橋みなみ、宮澤佐江、島崎遥香、山本彩、須田亜香里
選抜メンバーたち(松井珠理奈は時間の都合で撮影に不参加)。前列左から柏木由紀、大島優子、指原莉乃、渡辺麻友、篠田麻里子、松井玲奈。後列左より渡辺美優紀、横山由依、板野友美、小嶋陽菜、高橋みなみ、宮澤佐江、島崎遥香、山本彩、須田亜香里
1位となって、司会の徳光アナに抱えられる指原莉乃
2位の大島優子
3位の渡辺麻友
4位の柏木由紀
5位の篠田麻里子は卒業を発表
6位の松井珠理奈
7位の松井玲奈
10位の宮澤佐江
14位の山本彩
15位の渡辺美優紀
速報37位から20位へと躍進したJKT48 チームJの高城亜樹
16位と選抜メンバー入りをはたしたSKE48 チームK II の須田亜香里
圏外から25位と大躍進した川栄李奈

6月8日に日産スタジアムで行われた「AKB48 32ndシングル 選抜総選挙」では、指原莉乃(HKT48、HKT48劇場支配人兼任)が1位を獲得するという、波乱含みの結末で幕を下ろした。

絶対的エースだった前田敦子の卒業、悲願だった東京ドーム公演の成功など、2012年は、AKB48グループが1つの時代に区切りをつけた年だった。1つの時代が終わり、AKB48グループ「第2章」はどちらに向かおうとしているのか。ファンが示した答えは「世代交代」と「地方組の躍進」だった。

【AKB総選挙2013】写真ダイジェスト

「地方組の躍進」が目立った今年の「AKB48 32ndシングル 選抜総選挙」の中でも、SKE48の躍進は特筆すべきものがあった。32ndシングル選抜メンバー(1〜16位)には3人が選抜入り。アンダーガールズ(17〜32位)は7人、ネクストガールズ(33〜48位)は5人、フューチャーガールズ(49〜64位)は3人の計18人。エースの松井珠理奈(AKB48も兼任)、松井玲奈が“神7”入りをはたしたのを筆頭に、握手会の“神対応”ぶりで着実に票を伸ばし、選抜入りをはたした須田亜香里、そして昨年の圏外から一気に17位にランクインした柴田阿弥などの活躍が目立ち、昨年の11人から大幅増となった。

NMB48は、32ndシングル選抜メンバー(1〜16位)に2人。アンダーガールズ(17〜32位)は1人。ネクストガールズ(33〜48位)は2人。フューチャーガールズ(49〜64位)は3人と計8人。山本彩、渡辺美優紀(AKB48も兼任)というNMBのツートップが念願の選抜入りをはたしたのと同時に、チームMセンターの矢倉楓子(AKB48も兼任)、チームB IIセンターの薮下柊、そしてNMB48初の女優デビューをはたした上西恵など、決めるべき人材が着実にランク入りを決めたことが、昨年の4人からの倍増につながった。

HKT48は、32ndシングル選抜メンバー(1〜16位)に1人。アンダーガールズ(17〜32位)は1人、ネクストガールズ(33〜48位)は2人、フューチャーガールズ(49〜64位)は2人の計6人。AKB48で実績のあった指原、多田愛佳のランク入りはもちろんのこと、兒玉遥(AKB48も兼任)、宮脇咲良、そして研究生ながら、HKT48の1stシングルのセンターをつとめた田島芽瑠、同じく研究生の朝長美桜などもランクイン。2011年結成と歴史の浅い同グループだが、指原効果もあってか、若手の底上げが図られ、昨年のランク入り3人からの倍増となった。

海外組も、JKT48の高城亜樹(AKB48も兼任)が20位に、SNH48の宮澤佐江 (AKB48も兼任)が10位にランクイン。総選挙のスピーチで宮澤が「SNH48に専念する」と宣言したことも大きな反響を呼んだ。かつて秋元康から「SNH48に命を懸けられないんだったらやめなさい」と発破をかけられ、不退転の決意で上海入りをはたしたものの、中国当局から労働ビザが発給されずにステージに立てない日々を送っていた宮澤。先の宣言の真意は、それゆえに中途半端にAKB48との兼任をしたくないという思いもあっただろうが、同時に、宮澤より一足先にAKB48からHKT48に完全移籍し、平均年齢15.1歳という若いメンバーたちのリーダーとして活躍する、後輩・指原の存在も大きかったのではないだろうか。

一方、このような積極的な人事交流によって、若手の才能が花開き、「世代交代」が少しずつ進められたのが今回の「AKB48 32ndシングル 選抜総選挙」のもう1つの特徴だった。

昨年の総選挙のスピーチで「先輩をつぶすつもりで来てください。そんな心強い後輩が出てきたら、私は笑顔でAKB48を卒業したいと思います」と後輩を鼓舞した篠田麻里子。今年の若手たちのスピーチの中には、明らかに昨年の篠田のコメントを意識した意欲的なコメントが散見され、その都度、篠田もうれしそうな笑顔を返していたのが印象的だった。そして昨年の上位陣が軒並み順位を下げる中、篠田は5位と昨年と同順位をキープ。「麻里子さま」の面目躍如たる人気ぶりを示したが、ステージでは「勢いのある後輩たちを見て、私自身も決断しようと思いました」とスピーチ。その真意を瞬時に察し、「言うな! 言うな!」と必死にステージに声を届けようとするファンの姿もあったが、それでも篠田は晴れやかな笑顔で卒業を宣言。やはりこの日もAKB48グループは大きなサプライズを用意していた。

その一方で、次世代のAKB48を担う若手たちが着実にランクアップをはたした。次世代エース候補と言われる島崎遥香は23位から12位に。フジテレビ系バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』の企画で「センターバカ(バカNo.1)」に決定したことから注目を集めた川栄李奈が圏外から25位にランクイン。日頃から「(昨年が)圏外なのに注目されている」と言われることに悔しさを感じていたという彼女にとっては、念願のランクインとなった。そして同番組において、川栄と対照的な才女振りで話題を集めた入山杏奈は昨年の圏外から30位にランクイン。こうした結果からも、AKB48内で確実に世代交代が進んでいることが伺い知れる。

最終立候補者数は246人で、総投票数は264万6847票(そのうち、1〜64位に投票したのは218万5273票)。昨年の総投票数138万4122票に比べ、投票総数はおよそ2倍近くに増えた。「世代交代」「地方組の躍進」といった現象が印象的だった「AKB48 32ndシングル 選抜総選挙」だが、実はその2つのキーワードを象徴する存在ともいえるのが、指原だったのではないだろうか。

5月22日夜に発表された速報では、指原は確かに1位を記録していた。しかし、最終的には指原はかませ犬となり、本命と呼ばれた渡辺麻友、大島優子のどちらかが1位を獲得するのではないかというのが今回の総選挙の下馬評だった。しかし、ふたを開けてみれば、指原がそのまま逃げ切りで首位を獲得。その結果を目の当たりにした大島自身も「涙もでない。お腹をかかえて笑っちゃう総選挙は初めて」とスピーチをしてしまったほどに、「涙の総選挙」を、見事に「笑いの総選挙」に変えてしまった。

この「センター指原」が48グループ新時代の幕開けとなるのか。今後の48グループの行方にも注目したい。

■AKB48選抜総選挙、最終順位と速報順位(2013年)■

【第1位】指原莉乃/HKT48 チームH、HKT48劇場支配人兼任(速報1位)
【第2位】大島優子/AKB48 チームK(速報3位)
【第3位】渡辺麻友/AKB48 チームA(速報2位)
【第4位】柏木由紀/AKB48 チームB(速報5位)
【第5位】篠田麻里子/AKB48 チームA(速報15位)
【第6位】松井珠理奈/SKE48 チームS、AKB48 チームK兼任(速報4位)
【第7位】松井玲奈/SKE48 チームE(速報6位)
【第8位】高橋みなみ/AKB48 チームA(速報18位)
【第9位】小嶋陽菜/AKB48 チームB(速報20位)
【第10位】宮澤佐江/SNH48、AKB48 チームK 兼任(速報12位)
【第11位】板野友美/AKB48 チームK(速報14位)
【第12位】島崎遥香/AKB48 チームB(速報7位)
【第13位】横山由依/AKB48 チームA(速報9位)
【第14位】山本彩/NMB48 チームN(速報13位)
【第15位】渡辺美優紀/NMB48 チームN、AKB48 チームB兼任(速報10位)
【第16位】須田亜香里/SKE48 チームK II (速報11位)
──── 以上、1〜16位までが選抜メンバー ────

【第17位】柴田阿弥/SKE48 チームK II(速報8位)
【第18位】峯岸みなみ/AKB48 研究生(速報26位)
【第19位】梅田彩佳/AKB48 チームB(速報22位)
【第20位】高城亜樹/JKT48 チームJ 、AKB48 チームB兼任(速報37位)
【第21位】北原里英/AKB48 チームK(速報38位)
【第22位】木崎ゆりあ/SKE48 チームS(速報16位)
【第23位】高柳明音/SKE48 チームK II(速報28位)
【第24位】松村香織/SKE48 研究生(速報17位)
【第25位】川栄李奈/AKB48 チームA(速報33位)
【第26位】宮脇咲良/HKT48 チームH(速報61位)
【第27位】古川愛李/SKE48 チームK II(速報34位)
【第28位】山田菜々/NMB48 チームM(速報45位)
【第29位】大矢真那/SKE48 チームS(速報29位)
【第30位】入山杏奈/AKB48 チームA(速報27位)
【第31位】木本花音/SKE48 チームE(速報64位)
【第32位】藤江れいな/AKB48 チームB(速報52位)
──── 以上、17〜32位までがアンダーガールズ ────

【第33位】佐藤亜美菜/AKB48 チームK(速報圏外)
【第34位】片山陽加/AKB48 チームB(速報36位)
【第35位】永尾まりや/AKB48 チームK(速報圏外)
【第36位】倉持明日香/AKB48 チームK(速報54位)
【第37位】兒玉遥/HKT48 チームH、AKB48 チームA兼任(速報24位)
【第38位】田野優花/AKB48 チームA(速報63位)
【第39位】梅本まどか/SKE48 チームE(速報21位)
【第40位】上西恵/NMB48 チームN(速報31位)
【第41位】松本梨奈/SKE48 チームK II(速報32位)
【第42位】斉藤真木子/SKE48 チームS(速報25位)
【第43位】多田愛佳/HKT48 チームH(速報41位)
【第44位】矢倉楓子/NMB48 チームM、AKB48 チームA兼任(速報59位)
【第45位】武藤十夢/AKB48 チームK(速報35位)
【第46位】石田晴香/AKB48 チームB(速報56位)
【第47位】小林亜実/SKE48 チームK II (速報19位)
【第48位】大場美奈/AKB48 チームB、SKE48 チームK II兼任(速報46位)

──── 以上、33〜48位までがネクストガールズ ────

【第49位】薮下柊/NMB48 チームB II(速報23位)
【第50位】吉田朱里/NMB48 チームN(速報圏外)
【第51位】菊地あやか/AKB48 チームA(速報53位)
【第52位】佐藤すみれ/AKB48 チームA(速報圏外)
【第53位】前田亜美/AKB48 チームK(速報50位)
【第54位】小笠原茉由/NMB48 チームN(速報圏外)
【第55位】田島芽瑠/HKT48 研究生(速報42位)
【第56位】岩佐美咲/AKB48 チームB(速報62位)
【第57位】市川美織/AKB48 チームB、NMB48 チームN兼任(速報44位)
【第58位】磯原杏華/SKE48 チームS(速報40位)
【第59位】朝長美桜/HKT48 研究生(速報51位)
【第60位】松井咲子/AKB48 チームA(速報圏外)
【第61位】山内鈴蘭/AKB48 チームB(速報圏外)
【第62位】平嶋夏海/OG(速報圏外)
【第63位】金子栞/SKE48 チームE(速報51位)
【第64位】中西優香/SKE48 チームS(速報30位)
──── 以上、49〜64位までがフューチャーガールズ ────

(MOVIE Collection [ムビコレ]、アイドルCheck!合同企画)

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