『AKIRA』『スチームボーイ』の大友克洋をはじめとする、日本のトップクリエイターたちが結集したアニメ映画『SHORT PEACE』。その初日舞台挨拶が7月20日に丸の内ピカデリーで行われ、大友監督のほか森田修平監督、安藤裕章監督、カトキハジメ監督、浅沼誠エグゼクティブ・プロデューサーが登壇した。
まずは作品全体のコンセプトについて浅沼は「『SHORT PEACE』というプロジェクトは、オープニングと4作品の短編というオムニバス構成で、各監督の個性を生かした作品を作りたいという思いがありました。日本をテーマにした、いままでに見たことがないような、不思議な、そして面白いものができたと満足しています」とコメント。
初日を迎えた感想については、『九十九』の監督を手がけた森田は「今回の監督のなかでは一番若い僕が、一番じじくさい作品を作ったかなと思わなくもないですが、自分が好きな昔話や民話などの淡々とした面白さを表現できたと思います」と語ると、『九十九』のほか、カトキ監督の『武器よさらば』で演出として参加したことについて「カトキさんはメカへのこだわりがすごくて、納品ギリギリまでデザインを詰めていたことが印象に残っています」と話した。
そのカトキは「『武器よさらば』の監督をやらせていただきましたが、もともとオモチャを作りたかったのがこの企画の取っかかりでした。劇中に登場する戦車型無人兵器の模型の試作品を作りましたので、いま劇場のロビーに飾ってあります。試作品なのですぐ壊れてしまうかもしれず、1週間限定で展示していますのでぜひ見ていってください」と語った。
また安藤は「僕がこの世界で一番最初に仕事をしたのが『MEMORIES』だったので、短編オムニバスには思い入れがあります。今回、僕は『GAMBO』の監督と、大友さんの『火要鎮』の演出もやらせていただきました。大友さんは毎回新しいことをして同じことをしないので、全然楽をさせてくれません(笑)」と述べると、大友は「新しいもの好きだから、変わったことをしたいとすぐ思ってしまう。安藤くんにはいつも無理を言ってるけど、その分、オゴっているんで大丈夫だと思います」と語り笑いを誘っていた。
その大友は、短編の魅力について聞かれ「短編の魅力は、短いところですかね(笑)。長編はストーリーを構成しないといけないけど、短編は自分の最初の印象だけで作ることができるから面白い。今回の『火要鎮』では江戸ものができて自分としても嬉しかったけど、見終わった方には『短いぞ』と言われてしまうかもしれません」と回答。
長編の次回作の構想を聞かれると「その質問は厳しいな。今はちょっとまだ。もう少し経ったら言えるんだけど」と答え、最後に観客に向かって「僕らもこのプロジェクトのシリーズ2作目、3作目を作ることができればいいなと思っています」と話していた。
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