101歳で亡くなった詩人・柴田トヨの同名詩集を、八千草薫主演で映画化した『くじけないで』。その完成披露舞台挨拶が10月8日に丸の内ピカデリーで行われ、主演の八千草をはじめ、武田鉄矢、伊藤蘭、檀れい、芦田愛菜、上地雄輔、ピエール瀧、深川栄洋監督と、主題歌を歌う由紀さおりが登壇した。
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最初に由紀が主題歌「わたしのうた」を初披露すると、場内からは大きな拍手と歓声が。ついで女優陣はみな着物を着て姿を現した。
トヨを演じた八千草は、今年の4〜5月頃に行われた撮影以来となる監督や共演者との再会に、「穏やかで楽しく温かい撮影の現場を思い出しました」とコメント。トヨの息子・健一を演じた武田は「八千草さんの息子役を演じられるということで、すぐに飛びついて、この役をやりたいと思った次第です。私自身、母を亡くして早15年の歳月が流れております。もちろん演技ではございますが“おっかさん”とか“かあちゃん”って呼べる、そういう幸せを1ヵ月以上に渡って体験することができ、母への思いを重ねながら演じたような次第です」と話した。
その後、健一の妻・静子を演じた伊藤や、トヨの若い頃を演じた檀らが感動的なスピーチを繰り広げると、トヨの幼少期を演じた芦田の次に挨拶の順番を迎えたトヨの主治医役の上地は「みんな、こんなにしっとり素晴らしいスピーチの後だから、どうしようかって考えていたんですけど、愛菜ちゃん(のスピーチ)が僕の前ですごく良かったです。ちょっと心和みました」とニッコリ。会場の笑いを誘うと、作品については「仕上がりを見たときに自分が出ているにも関わらず、本当に涙が止まらなくて、いろんなことに気づかされた映画だったので、みなさんにとっても、何かのきっかけになればと思います」と語った。
また、50歳から90歳までのトヨを演じた八千草は、感想を聞かれ「自分より若い方を演じるのは自分が通ってきた道だし、何となく想像できるんですけど、自分より年上の方は頭で考えていたよりも、ずっと難しく、どうしたらいいのかなと最初は思いました」と回答。カメラテストで深川監督から「もうちょっと腰を曲げたらどうでしょう」とアドバイスされたそうで、「『これくらいですか?』と聞いたら、もうちょっと、と。『じゃあ、これくらいですか』と聞くと、『いやもっとと言われて(笑)』」と振り返っていた。
一方、司会から八千草と母子役で共演した感想を聞かれた武田は、答えを言い淀んでいると、隣にいる八千草から「本当にかわいかったですよ」と指摘され、「いえいえ」と戸惑う場面も。照れながらも「八千草さんの演技を側で見ていて、いつも感動しておりました」と話していた。
『くじけないで』は11月16日より全国公開される。
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