山本兼一の歴史小説を映画化した『利休にたずねよ』。その完成披露会見が11月5日に目黒雅叙園で行われ、主人公・千利休を演じた市川海老蔵、その妻・宗恩(そうおん)を演じた中谷美紀、豊臣秀吉役の大森南朋、織田信長役の伊勢谷友介、若き利休が愛した女性を演じた韓国人女優・クララ、そして田中光敏監督の計6名が登壇した。
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本作は、茶聖・千利休の研ぎ澄まされた美意識が若き日の恋に起因しているのではないかという大胆な仮説をもとに描かれた物語。利休の10代から70代までを演じた海老蔵の熱演も見どころのひとつで、そんな海老蔵への評価を聞かれた登壇者たち。長い付き合いという伊勢谷は「平成のうつけ者」と評し、「楽屋にいると必ず遊びに来てくれて、まるで自分の控え室のようにくつろいで帰って行く」と素顔を披露。大森は「現場で初日に会ったとき、佇まいの美しさに感動しました」と打ち明け、「一言で言うと“美しき怪物”」と評した。
今まで共演した俳優のなかで「最高の先輩」と語ったのはクララ。初めて日本映画に参加したという彼女は、「海老蔵さんは私のことを快く受け入れてくださって、気が楽に演技できるように温かく接してくれた。一言で言うと優しい人。でも、撮影に入ると目が変わる」と仕事への真摯な姿勢も評価していた。
一方、7月に行われた同作の完成報告会見で海老蔵のことを「平成の狼藉者」と評した中谷は、「昼間、撮影に向かわれる海老蔵さんはとても真面目で真摯。準備万端で“15分前行動”をなさるので、スタッフや監督も慌てるほど。やんちゃな面もあるけれど尊敬しています」と話し、監督も「少年のように真っ直ぐで非常に情熱的。とてつもない男です」と、全員がべた褒め。そんな褒め殺し状態のなか、海老蔵は「ありがとうございます」と照れくさそうな笑みを浮かべていた。
また、「日本の美」をどう思うかと聞かれた海老蔵は「(掛け軸などでも)何も書かれていない部分を想像したり、余白を楽しむことを美のなかに織り込んでいる。それが日本人の美意識だと思います」と話していた。
『利休にたずねよ』は12月7日より全国公開される。
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