2013年に公開された洋画のなかから、イケメン俳優を堪能できる良作10本をピックアップ! イケメンということで筆者の好みに偏ったセレクトになったが、そこはお許しを。新星からベテラン勢まで、スクリーンで輝く美男子たちの姿を楽しもう。
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第10位
『ワイルド・スピード EURO MISSION』ポール・ウォーカー
2013年11月30日に自動車事故により40歳という若さで他界したポール・ウォーカーが主演の人気シリーズ第6作目。本作は舞台をヨーロッパに移し、カーアクションから女同士のバトルまで派手にみせてくれるが、ブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)の活躍はやや控えめ。とはいえ、赤ちゃんを片手で抱っこしている立ち姿が、なんだか無性にかっこよかった。筆者が初めてポールを映画で見たのはたしか『カラー・オブ・ハート』だったが、完璧なハンサムで人もよさそうで魅力的だったものの、クセがないからヒット作に恵まれないのではないだろうかと勝手に心配したものだ。しかし、余計なお世話だった。この先、アクションの主演が難しい年齢になったときに、きっと彼は美しいオジサマとして別の魅力を見せてくれるだろうと期待していただけに、とても悲しく残念だ。
第9位
『アンナ・カレーニナ』アーロン・テイラー・ジョンソン
トルストイの名作を映画化。アンナ役にはキーラ・ナイトレイ。これまでグレタ・ガルボ、ヴィヴィアン・リー、ソフィー・マルソーら名だたる女優がアンナを演じ、“不倫の末に破滅の道を選んだ悲劇の美女”というヒロイン像が定着していたが、ジョー・ライト監督はアンナを特別な人として描きたくなかったようで、キーラはこれまでとは違うアンナ像をみせてくれる。アンナの夫カレーニン役にはジュード・ロウ、そして注目したいのは不倫相手の青年将校ヴロンスキー役を演じたアーロン・テイラー・ジョンソンだ。彼は『キック・アス』のオタク青年役の人なのだが、本作ではずいぶんと違ったイメージで登場。ブロンドヘアに、青い軍服と同じ色の青い瞳がなんとも素敵! 舞踏会でのキーラとアーロンの優雅なダンスシーンも見せ場のひとつだ。実生活では23歳年上の妻(サム・テイラー・ウッド監督)と結婚し、子どももいる若きパパのアーロン。“オタク”も“将校”もこなせるイケメンなので、今後の活躍にも期待!
第8位
『サイド・エフェクト』ジュード・ロウ
スティーブン・ソダーバーグ監督の最後の劇場用作品として演技派キャストが集結した心理サスペンス。良き家庭人でもある精神科医が若い女性患者に魅了されていくうちに薬の副作用で殺人事件が起こり……というストーリーで、主役の精神科医をイギリスのイケメン代表ジュード・ロウが演じている。『ガタカ』の頃は美しかったなあ……。だいぶ中年になったけれど、若い女性患者に頼られて、“いけない”と思いながらも心が傾いてしまう優柔不断な演技がうまい! 女性患者役のルーニー・マーラは上目づかいの横顔が昔のエマニュエル・ベアールのようで、ジュードが放っておけないのも納得。ルーニーの夫役には人気の若手チャニング・テイタムが扮しているが、さすがにジュードの存在感にはかなわない。そして、葛藤するジュードに忠告を与える女医役に、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。キャサリン姉さん、これがまたすごい存在感で、あっと驚く展開に!『セックスと嘘とビデオテープ』が原点だったソダーバーグらしい作品で、見ごたえあり。
第7位
『スプリング・ブレイカーズ』ジェームズ・フランコ
退屈な毎日から抜け出したくて強盗を働いたビキニ4人組のハチャメチャな春休みを描いたハーモニー・コリン監督によるガールズムービー。物語の鍵を握るのは、警察に捕まったギャルたちを助けるギャングの男だが、(編み上げヘアスタイルの)コーンロウに銀歯、ヒゲ面の汚らしい姿で怪演しているのは、あのジェームズ・フランコだ。これまでのインテリで優しいイメージからは想像もつかない汚れた姿。でも、時折、見せるナイーブな瞳は隠せまい! れゆえに彼がこの役に適任だったのかどうかはわからないが、この男、ギャルたちにもっと悪さもできただろうに、そこまで悪くはない。しかも、銃口を突きつけられるシーンにいたっては、マゾなのか、と……。コリンの作風には好き嫌いが分かれるが、キャンディカラーのビキニとヒップに彩られるスクリーンからは青春の痛みが伝わってくる。また、もっときれいなジェームズ・フランコを楽しみたい人は、今年の公開作なら『オズ はじまりの戦い』をどうぞ。若い頃の儚げな美しさを愛でたい人には『SONNYソニー』がおすすめ!
第6位
『華麗なるギャツビー』レオナルド・ディカプリオ&トビー・マグワイア
フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャツビー」の映画化で、ギャツビー役にレオナルド・ディカプリオ、ニック役にトビー・マグワイア、とくれば見逃せない。監督は、『ロミオ+ジュリエット』で若い頃の美しいレオを撮ったバズ・ラーマン。あれから十数年たち、かつてはあんなに細かったレオもさすがに貫禄がついたが、ニックが初めてギャツビーと出会うシーンのとびきりの笑顔は素晴らしかった。そして、その笑顔に魅了されるトビーの瞳も感動的だった。ニックはあのとき、派手で空虚な生活に彩られたギャツビーに隠されたピュアな面に気づき、魅了されたのだ。バズ・ラーマンの華やかすぎる演出が作品に合っているかどうかは賛否あるが、レオとトビーの共演だからこそ成り立ったようにも思える。もちろん地味な演出でも素晴らしい演技を見せてくれる2人だが、年の割に若く見える2人のスターの輝きと卓越した演技力があるからこそ、あの派手さにも負けない気がするからだ。
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(文:秋山恵子/ライター)
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