10月17日に第22回東京国際映画祭が開幕し、六本木ヒルズで開かれたオープニングイベントで、映画祭大使の木村佳乃、グリーンアンバサダーの杏をはじめ、国内外の数多くの映画人たちがグリーンカーペット・セレモニーに登場した。
昨年に続き登場したグリーンカーペットは、映画祭のテーマであるエコロジーをイメージし、ペットボトルをリサイクルして作られたもの。映画祭では、グリーン電力で上映を行うなど、環境に配慮した運営がなされるという。
海外からは『アバター』のキャスト・スタッフも参加。この作品は今冬最大の話題作で、驚異の3D映像が見る者を圧倒する。『ターミネーター4』にも出演していた主演のサム・ワーシントン、シガーニー・ウィーヴァー、ゾーイ・サルダナらキャストとプロデューサーのジョン・ランドーが登場すると、沿道からは大きな歓声が。キャストらはファンたちに笑顔で手を振り、サインの求めにも気軽に応じるなど、ファンサービスにつとめていた。
機動隊を従えて登場したのは、警察の汚職を描いた『笑う警官』に出演した松雪泰子、野村祐人、伊藤明賢。刑事役を演じた3人だけにクールなファッションでキメ、洗練された魅力を放っていた。
純愛ラブストーリー『僕の初恋をキミに捧ぐ』からは、恋人役を演じた井上真央と岡田将生が出席。司会者から映画にちなみ、「今、恋をしている?」と聞かれた岡田は、ドギマギと真っ赤になりながら「今は、あんまりしていないです」。一方、井上は「毎日、ときめいています。岡田君にもときめきっぱなし」と余裕の回答で応じていた。
『ゼロの焦点』では、広末涼子、中谷美紀、木村多江が赤いドレスで美の競演を繰り広げた。映画については「重厚感があり、時代、世代を越えて楽しんでいただける作品」と広末。中谷は「昭和30年代の女性の幸せを問う作品ですが、現代の女性にも共感してもらえるはずです」とアピールしていた。
『天使の恋』の佐々木希、『大洗にも星はふるなり』の山田孝之、戸田恵梨香、『真幸くあらば』の尾野真千子、『掌の小説』の香椎由宇、『風が強く吹いている』の小出恵介、林遣都、ダンテ・カーヴァー、『曲がれスプーン』の長澤まさみ、『サイドウェイズ』の鈴木京香、菊地凛子、『わたし出すわ』の小雪、黒谷友香など、そうそうたる日本人俳優らも登場。また、ヴィッキー・チャオや『台北に舞う雪』のチェン・ボーリンといったアジアスターも姿を現し、たくさんのフラッシュを浴びていた。
また、コンペティション部門の審査委員長を務めるアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督と審査委員の原田美枝子、イエジー・スコリモフスキ監督、ユ・ジテらも登場。
終盤には鳩山由起夫内閣総理大臣と幸夫人、増子輝彦経済産業省副大臣もグリーンカーペットを歩き、沿道の人々の歓声に笑顔で応えていた。映画祭の感想について鳩山首相は「映画スターになったような素晴らしい気分です」と笑顔を浮かべた。国連での演説で2020年の温室効果ガス排出量を25%削減することを明言した首相だが、「映画祭のテーマのエコロジーは一人ひとりの意識を変えること。政治でもがんばります」と決意とメッセージを語っていた。
トリをつとめたのは、オープニング作品『オーシャンズ』の面々。ジャック・ペラン監督とジャック・クルーゾー監督、そして日本語版ナレーションを担当する宮沢りえと音楽を担当した平原綾香、藤澤ノリマサが参加した。映画についてペラン監督は「映画を通じ、海の豊かさ、もろさを、自然の大切さを、人々に、そして政治家に伝えたい」と熱く語った。また、宮沢も「この星にはまだまだこんなに未知なる世界があるんだと知り、こんなに素晴らしい地球をなくしてはいけないと思いました。本当に素晴らしい映画です」と感動を吐露していた。
東京国際映画祭は、六本木ヒルズを中心に10月25日まで開催される。
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