鈴木敏夫P「岩井さんならアニメーションを作れるなと昔から思っていた」

鈴木敏夫プロデューサー(左)と岩井俊二監督(右)
鈴木敏夫プロデューサー(左)と岩井俊二監督(右)

『花とアリス殺人事件』公開を記念し、新宿バルト9で行われている岩井俊二映画祭で、2月8日に『花とアリス』を上映。上映前に岩井俊二監督と、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーを招いてのトークショーが行われた。

岩井俊二監督とジブリの鈴木敏夫Pが『花とアリス』について語る!?

数日前に未完成の『花とアリス殺人事件』を見たという鈴木は「もう傑作になっていますね。久々に映画を見たという感じです」とベタ褒め。「14歳ってこんな感じなんだなと僕でも感じることができました。実写畑の人(岩井監督)が、よくアニメーションをやったなと思うだろうけど、岩井さんの作品に画コンテがあるのは明らかだと思っていたので、岩井さんならアニメーションを作れるなと昔から思っていたんです」と感想を述べた。

一方の岩井監督は、「実は10年前に『花とアリス殺人事件』の脚本を鈴木さんに見せているんです。その際にアニメについていろいろ教えてもらい勉強になりました。『耳をすませば』のエンディングシーンを見せてもらって、感動した覚えがあります」と振り返ると、鈴木は「10年前もロトスコープ(実写で撮影した映像をトレースしていくアニメ手法)をやりたいと言っていたね。僕はそれに反対した覚えがありますが。ただ、『花とアリス殺人事件』を見て、ロトスコープの新しい使い方だなと思った。『かぐや姫』もこの作り方でやったらもっと早く終わったんじゃないかと思いました」とコメント。

これに岩井監督は「実写をそのままなぞっても上手くいかなかったりする。実写だと自然に映りこんでくるものもアニメだと描かないといけないという作業の中で、新たな発見もありました」と話した。

また、鈴木は「『花とアリス殺人事件』では架空の店や会社が多い、『花とアリス』もそうだったがそれはなぜ?」と質問。岩井は「『花とアリス』は横浜で撮影したのですが、横浜にはマンガ家の名前っぽい地名が多いよねと、美術監督の種田陽平さんと話していて、そんな言葉遊びから出てきたんです」と明かしていた。

『花とアリス殺人事件』は2月20日より新宿バルト9ほかにて全国公開となる。

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