第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式招待された黒沢清監督の『岸辺の旅』が、現地時間5月17日22時より公式上映され、W主演で夫婦役を演じる深津絵里と浅野忠信、黒沢清監督がレッドカーペットと舞台挨拶に出席した。
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背中が大きく開いた黒のドレスに身を包んだ深津とタキシード姿の浅野がレッドカーペッドに登場すると観客から大喝采。これが初のカンヌとなった深津は、観客の大歓迎ぶりに万感の様子。世界各国から集まった100台以上のカメラのフラッシュが一斉に焚かれ、テレビクルーからは「クロサワ!フカツ!アサノ!」のコールが巻き起こった。
その後の公式上映でも満席となった会場から大喝采が巻き起こり、上映終了後には5分以上に渡るスタンディングオベーションを受けた後、さらに感激した観客が3人を待ち受け、会場外でも5分以上の熱いスタンディングオベーションが続けられた。
こうした出迎えに深津は「初めてのカンヌ国際映画祭でのレッドカーペッドは、とても緊張しました。レッドカーペッドを歩くこともそうでしたが、それ以上にこれから世界中の方に映画をご覧頂くことにドキドキしていました。公式上映後には、たくさんの方にとてもあたたかい拍手を頂き、撮影中も夢の中のようでしたが、まさに今日も夢の続きにいるかのような気持ちになりました。作品に描かれている愛が、じわじわとしみこんでいるような、あたたかい拍手でした」とコメント。
黒沢監督作品では『アカルイミライ』以来のカンヌとなった浅野は「多くの方々にあたたかく迎えて頂き、映画で描かれたひとつのすばらしい愛のかたちが伝わったかと思いました。レッドカーペッドは緊張しましたが、公式上映後にあんなに多くの拍手を頂き、たくさんの拍手に祝福して頂けて、すごく嬉しかったです。多くの方に作品を気に入って頂けて、映画の愛が伝わったと感じました」と話した。
また、黒沢監督も「なにより嬉しかったのは、公式上映後のスタンデイング・オベーションの後に、会場の外でも多くの方が残って頂いていて、たくさんの拍手で迎えられたことです。あたたかい拍手で、本当に感激しました。深津さん、浅野さんが出演して下さることが決まってから、この映画は大丈夫だと思っていましたが、こうして一緒にカンヌに来られて嬉しいです」と述べていた。
同作は、湯本香樹実が2010年に発表した同名小説を映画化。3年間失踪していた夫が突然帰ってきたものの、夫は「俺、死んだよ」と妻に告げるところから幕を開ける。そして夫から「一緒に来ないか、きれいな場所があるんだ」と誘われるまま夫婦は、夫が失踪してから3年間、お世話になっていた人々を訪ねていく──というストーリー。10月1日よりテアトル新宿ほかにて全国公開となる。
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