6月公開作の1位は『トゥモローランド』の12億円。ウォルト・ディズニーが残していた夢のプランに着想を得たミステリーアドベンチャーだ。
5月下旬に主演のジョージ・クルーニーが夫婦で来日したり、日本語吹き替え版で少女ケイシーの声を担当した志田未来がイベントに出席するなどしてPRにつとめた。春以降、『イントゥ・ザ・ウッズ』『シンデレラ』が大ヒットし、好調が続くディズニー映画の勢いもヒットを後押ししているようだ。
同じく1位は『ラブライブ!The School Idol Movie』。女子高生たちがスクールアイドルを目指して奮闘するアニメの劇場版で、これまでテレビアニメを2シリーズ放送。さらにCDがリリースされたりライブイベントを行うなど、多メディア展開で大人気となっている。クリアファイルの特典付前売券第1弾(全10種類)、クリアポスターの特典付前売券第2弾(全9種類)は全劇場で全種類が完売。B3タペストリー付の通常前売券(3120円)も含めて1人で複数枚購入するファンもいるようだ。公開初日に幕張メッセで実施されたファンミーティングが、ライブビューイング(2800円)で特別上映されたのも興収アップに貢献している。121スクリーンという絞った公開規模で「どの劇場も混んでいる」感を出して口コミで評判が広がっていることもヒットにつながっている。
3位は『予告犯』の10億円。新聞紙を頭に被り、ネット配信で「法で裁かれない人間」への制裁を予告する謎のグループ“シンブンシ”と警察の攻防を描くマンガの映画化だ。生田斗真や戸田恵梨香ら出演者がテレビ番組に数多く出演してPRにつとめ、映画と連動したドラマがWOWOWで放送されて話題作りに一役買った。
同じく3位は『海街diary』。鎌倉で一緒に暮らす3姉妹が、父親と他の女性との異母妹も交えて共同生活を始める様子を描くマンガの映画化だ。カンヌ国際映画祭でコンペ部門に選出されて4姉妹役の綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずがレッドカーペットを歩く様子がテレビの情報番組で大きく取り上げられ注目を集めた。また、4人がテレビ番組に数多く出演してPRにつとめた。(文:相良智弘/フリーライター)
[6月公開作ランキング]
1位『トゥモローランド』12億円
1位『ラブライブ!The School Idol Movie』12億円
3位『予告犯』10億円
3位『海街diary』10億円
(6月28日時点。ムビコレ調べ)
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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