吉永小百合、息子役の二宮和也とはファーストネームで呼び合う仲!
作家・井上ひさしが、広島を舞台に描いた「父と暮せば」と対になる作品を、長崎を舞台に作りたいと願っていたことを知った山田洋次監督が、終戦70年となる今年、満を持して映画化に挑んだ『母と暮せば』。この作品のクランクアップ会見が8月12日にザ・プリンスパークタワー東京で行われ、吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、山田監督が登壇した。
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吉永と一緒に8月9日、長崎の平和祈念式典に参加してきたという山田監督は「70年前、被爆した方々がどんなに辛かったか。本作でいうと吉永さんと黒木さんの役にあたりますが、焼野原で肉親を探す人たちがどんなに苦しかったか……。改めて戦後70年という年に映画を作れたことに意義を感じますし、ふさわしい作品になればと思います」とコメント。
原爆で失った息子を思う母の福原伸子役を演じた吉永も「被爆者の方、そして長崎市民の方々から核兵器は使ってはいけないという強い思いを感じました」と話すと、若い世代に向け「この映画を見て70年前に何が起こったのか、未来に向かって何をしなくてはいけないかを感じとってもらえたら」と語った。
命を失って3年後に、吉永が演じる母親の元に現れる息子・福原浩二役に扮した二宮は「今回、改めてみんな一丸となって長崎の原爆について勉強する機会を与えていただき、体現することができました。役を通して僕自身、映画に(思いを)置いてきたつもりです。映画を何度も見てその思いを感じてもらえたらと思います」とアピールした。
また、山田監督作品への出演は『おとうと』以来5年ぶり5度目という吉永は、「(今までの中で)一番監督の熱意を感じました。気迫に迫るというか、少し怖いくらい(笑)。ワンカット、ワンカットが心からの演出だったのですが、私がそれに応えることができなくて落ち込んでいる中、二宮さんが軽やかに演じられていて助けられました(笑)。お陰で最後まで演じ切ることができました」と山田監督の熱意と二宮の演技を絶賛。
山田監督作品は『小さいおうち』以来2度目となる黒木も「吉永さんも仰っていましたが、監督の思いが強く『ちょっと怖い』と思うこともありました」と話した。
その後、記者からの質問で、撮影中に吉永と二宮が互いをファーストネームで呼び合っていたことについて聞かれた二宮は「和也(カズナリ)さんと呼んでいただいて、ドキドキしました(笑)。親にも1度も呼んでもらったことがないんです。僕の初めての人です」とニッコリ。
同じ質問に吉永は「どうお呼びしていいかわからなかった時、『小百合さん』と呼んでくださって嬉しかったです。お陰で距離が縮まりました」と振り返ると、「それに二宮さんが『本当の母親より一緒にいる時間が長い』と仰ってくださいました。(二宮さんがテレビなどで)危険なシーンを撮影しているところを見かけると『うちの息子大丈夫かしら!』と思ってしまいます(笑)」と撮影現場での裏話を披露していた。
『母と暮せば』は12月12日より全国公開となる。
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