ジョニー・デップが冷酷な凶悪犯、ジェイムズ・“ホワイティ”・バルジャーに扮し、彼が起こしたアメリカ犯罪史上、最大のスキャンダルを描いた『ブラック・スキャンダル』。この映画が現在開催中の第72回ヴェネチア国際映画祭にて、現地時間9月4日にワールドプレミアされ、主演のデップをはじめ、ジョエル・エドガートン、ダコタ・ジョンソン、スコット・クーパー監督らが集結した。
ホワイティを演じたデップは、役作りについて「誰も朝起きて、俺は悪魔だと鏡を見ながらつぶやく人はいないと思う。僕は彼を悪魔としてではなく、できる限り人間として描くようにアプローチをした。彼はビジネスの領域において悪魔だったのだと思う」と語り、実在する人物を演じたことに関しては「多くの責任を伴う。バルジャーについては映像資料がたくさんあったから参考にした。彼は一方で母や弟をとても大切にし、家族愛のある複雑な人間だった。そんな彼を的確に、ある意味正当性をもって演じるようにした」と話した。
ホワイティに対し、FBIと協力して共通の敵イタリア系マフィアを排除しようと持ちかけるも、やがて彼のことを制御できなくなってしまうFBI捜査官ジョン・コナリーを演じたエドガートンも「人によってさまざまに見方が異なるし、演じる上での心づもりは変わらない。もちろんリスペクトはするが、これは実際の話のフィクショナルなバージョンだと思うと、少し気がラクになる」と語った。
華やかなピンクのドレスで登場したジョンソンも、実在する人物を演じたことについて「情報はとても役に立つし、クリエイションの手助けになるわ。でも、それ以外のベーシックな点で(フィクションの人物の役作りと)違いはないと思う」とコメントした。
本作は9月10日に開幕するトロント国際映画祭で特別上映が決定しており、9月18日から全米公開。日本では2016年1月30日より全国公開となる。
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