青春の光と影を描く人気マンガ家・浅野いにお。彼が2005年から連載を始め、累計60万部(2009年12月現在)を超える人気コミックとなった『ソラニン』。その映画版がついに完成。1月28日に有楽町朝日ホールで完成披露試写会が開かれ、主演の宮崎あおい、高良健吾、桐谷健太、近藤洋一(サンボマスター)、三木孝浩監督が舞台挨拶を行った。
映画主演は『少年メリケンサック』以来という宮崎は、「久しぶりにお客様の前に立つのでワクワクしている」と挨拶。一方、普段はサンボマスターでベースとボーカルを担当している近藤洋一は、「楽器を持たずに人前に立つことはないので、今日は、まるで全裸でいるような恥ずかしさを感じています」と、少々緊張気味だった。
『ソラニン』は、音楽という夢をあきらめきれない若者たちの姿を綴った作品。だが宮崎は「歌は今まで、もっとも苦手だと思っていた」と語り、「人前で歌うなんてありえなかった」と、最初は出演を迷っていたことを明かした。
そこで踏ん切りがついたのは、「いつまでも逃げてばかりいられない」という思いからだ。「飛び込んでみようと思って参加させてもらい、ギターの先生にマンツーマンで教えてもらった。コードが読めないので指で覚えていって、実際にやってみたら、そういう作業が、ものすごく楽しくて。みんなで初めて合わせる日があったんですけど、そのとき、あー、大丈夫だなって思いました」
近藤も、初めて合わせた日のことは覚えているようで、「『はじめまして』と言って、20分もしないうちに、演奏がはじまっていた」と振り返る。桐谷も同じことを感じたそうで、「このバンドは、もうイッたなと。バンドをやっている方はわかると思いますが、音が重なり合う瞬間に出会うと、この人たちとこれからバンドをやっていくんだっていう気持ちを、嘘のない状態で信じられる」
最後に監督が「最初にリハーサルをやったグルーヴ感が良かった。うまいバンドはたくさんあっても、ちゃんとバンドとしてのグルーヴ感が出ているバンドはなかなかない。そのグルーヴ感を、はじめてリハーサルをやった瞬間に感じられることは、本当に奇跡的。リハーサルが終わったあとに近藤くんが『これバンドだったよね』と、ひとこと言ったのが印象的でした。それを聞き、この映画はバンドとして勝てるなって気がしたんです」
『ソラニン』は4月3日より全国公開となる。
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