1963年に出版されて以来、世界中で愛され続けている絵本『かいじゅうたちのいるところ』。20世紀最高の絵本とも称されるこの作品をハリウッドが映画化、来年1月15日より日本でも公開されるが、公開に先駆け、スパイク・ジョーンズ監督と主人公の子役マックス・レコーズ、プロデューサーのヴィンセント・ランディが来日。12月14日にリッツ・カールトンで記者会見を行った。
[動画]ふっくらお腹の永作博美が、スパイク・ジョーンズ監督に花束贈呈!
監督に、「彼がいなければ、この映画は完成しなかった」と言わしめたマックス。偶然にも主人公のマックス少年と同じ名前を持つ彼は、「撮影していたときは9歳でしたが、今は12歳になりました」と成長ぶりをアピールしていた。今回が初来日ということで、「昨日はちょっと時間があったので、ジブリ美術館に行って来ました。とてもカラフルで楽しかった」と、子どもらしい笑顔を浮かべた。
異色作『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』などを手がけ、カルト的人気を博す監督。そんな監督の印象を聞かれたマックスは、う〜ん……とだいぶ悩んでから「二番目のお父さんというか、年に2回くらいしか会わないクレイジーなおじさんみたい」と正直な回答。厳しいところは全くなかったそうで、「勝手に好きなことをやりながら、楽しんでいるというような撮影現場でした」と教えてくれた。
最新パペット技術とCGを巧みに取り入れた、ワイルドでユーモラスな“かいじゅう”たちの姿が印象的。その映像化についてプロデューサーのランディは「このプロジェクトの最初から、“かいじゅう”たちにどうやって命を与えていくかが重要だと考えていました。CGだけで撮ると、俳優たちは何もないところで演技することになる。ナチュラルな映像にするために何年も試行錯誤し、やっとこのような形で完成させることができました」と満足そうに語っていた。
一方、茶目っ気のある笑顔を浮かべながら、演出の苦労を振り返った監督。「300ポンド(約136Kg)もある“かいじゅう”を演出するのは本当に大変でした。彼らは思い通りに動いてくれないし、危険もある。時々、私たちを食べようとしますから(笑)。機嫌が悪いと噛まれるので、僕も指が1本食いちぎられちゃって……」と、人差し指を失った右手(実は、指を曲げているだけ!)を記者たちに披露。プロデューサーも、「子どもと動物と一緒に仕事をするのはやめろと言いますからね」と微笑んでいた。
会見後は、心優しい“かいじゅう”KWの日本語吹き替え版の声優を務めた永作博美が来場。3人に花束贈呈を行った。
元々、原作のファンだったという永作。「シンプルな原作が、どんな映画になるのか、ちょっとドキドキしながら楽しみにしていた」そうだが、すっかり映画を気に入った様子。「見れば見るほど引き込まれる映画で、最終的には3回は泣きました」。笑った回数も数え切れないほどで、「男の子って、こういう風に遊ぶんだなと思った」と、現在妊娠中の永作は、母を思わせる優しげな笑顔を浮かべていた。
声優業は初めてだったそうで、「(英語版のKWの声は色っぽいし、冷静で、私にできるかどうか心配でしたが、近づけるように頑張りました」とコメント。また、鬼才監督の作品だけに、「絵本が原作と思って見に行くと、びっくりすると思いますので、覚悟して見て、楽しんでいただければ(笑)」とも話していた。
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