9月公開作の1位は『アンフェア the end』の18億円。篠原涼子主演の人気ドラマ『アンフェア』の4年ぶりとなる劇場版3作目で、シリーズの完結編だ。主演の篠原はテレビ番組に数多く出演してPRに貢献。さらに主題歌を担当する三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEがa-nation stadium fes.大阪公演の最後を飾るアーティストとして登場した際、サプライズゲストとして参加して話題作りに一役買った。製作元のフジテレビでは、映画が公開される9月5日に「土曜プレミアム」で劇場版第1弾、翌週12日には劇場版第2弾を放映。さらに北乃きいを主役にし、篠原も出演したスペシャルドラマ『アンフェア the special ダブル・ミーニング 連鎖』を15日に放映した。
2位は『ヒロイン失格』の11億円。人気少女マンガの映画化で、桐谷美玲が幼なじみと学校イチのモテ男の間で揺れるラブストーリーだ。桐谷がテレビ番組に数多く出演してPRにつとめたほか、東京、名古屋、大阪、広島、福岡を舞台あいさつで回り地方での動員にも力を入れた。製作元の日本テレビでは朝の情報番組「ZIP!」と特別コラボ企画を行うなど、宣伝に協力した。
3位は『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』の10億円。累計発行部数が5000万部の人気マンガを2部作で実写映画化した2作目だ。2部作が8月から9月にかけて連続公開となることから、長期にわたって宣伝を展開した。主演の三浦春馬は共演の水原希子とロサンゼルスでのプレミア試写会に出席したり、同じく共演の本郷奏多と地方キャンペーンに出向くなど、宣伝に力を入れた。また動画配信サービス「dTV」で映画に合わせてオリジナルドラマ『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 反撃の狼煙』を配信。石原さとみ演じる兵器班長ハンジなどを主人公に映画では描かれなかったエピソードが展開された。
『進撃の巨人』は1作目が31億円。『エンド オブ ザ ワールド』は1作目より出足が悪く、最終的な興収は1作目を下回りそう。1作目に対してファンの間では賛否両論が出ており、この影響が今作に出ているようだ。(文:相良智弘/フリーライター)
[9月公開作ランキング]
1位『アンフェア the end』18億円
2位『ヒロイン失格』11億円
3位『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』10億円
9月27日時点。ムビコレ調べ
相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。
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