(…前編より続く)ジョン・ウィリアムズの手がけた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のサウンドトラックは、公開日と同じ12月18日にウォルト・ディズニー・レコードからCDリリースされている。Blu-ray/DVDソフトがリリースされるまでは、このサントラを聴いて本作の余韻に浸りたい。そう考えているファンは、きっと多いことだろう。
・【映画を聴く】前編/ジョン・ウィリアムズの音楽がフレッシュに蘇る!『スター・ウォーズ』サントラがついにハイレゾ化
超話題作なので、本サントラはCDだけでなくiTunes Storeなどのダウンロード配信、Apple Musicなどの定額制ストリーミングサービスでも聴くことができるが、加えてそれらよりも高音質なハイレゾ音源としても配信がスタートしている。ハイレゾは“ハイ・レゾリューション”の略で、その名の通りCDやダウンロードよりも高解像度な音源のこと。具体的にはサンプリング周波数=44.1kHz/量子化ビット数=16ビットというCDの情報量を超える音源のことを指し、96kHz/24ビットや192kHz/24ビットといったサイズの音源がポピュラーだ。本サントラのハイレゾは192kHz/24ビットで、ハイレゾ音源配信サイトの「mora」や「e-onkyo music」などでダウンロードすることができる。
このハイレゾ版とCD版でオープニングの「Main Title and The Attack on the Jakku Village」を聴き比べてみると、金管楽器の煌びやかさや弦楽器の艶やかさ、シンバルのスピード感と伸びやかさ、フルオーケストラならではの音の厚み、細かな楽音の描写力、そして奥行き感の豊かさなどにハイレゾの魅力を感じることができる。それは一聴して分かる違いと言うよりは聴いているうちにじわじわと感じられる違いなのでインパクトには欠けるかもしれないが、聴き慣れた『スター・ウォーズ』の音楽をより深く、新鮮に味わえることは間違いない。
なお、ハイレゾ音源を聴くにあたって問題となるのがハードウェアだ。音源そのものはPCやスマホでダウンロードして保存/管理すればいいのだが、それを正しいフォーマットで再生するにはUSB DAC(D/Aコンバーター)やDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)と呼ばれる専用機器が必要となる。ただ、最近はダウンロード機能を備えたDAPも多く、これとヘッドフォンと使ってPCレスでハイレゾを聴くことも可能なので、そのハードルは着実に下がってきている。
2016年1月には『エピソード1〜6』の全89曲をまとめた『スター・ウォーズ:アルティメット・デジタル・コレクション』もハイレゾ配信される。本サイトをご覧の映画ファンの皆さんも今回の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を機に、さまざまな映画音楽を高音質なハイレゾ音源で楽しんでみてはいかがだろうか。きっと“映画の聴き方”が変わると思う。(文:伊藤隆剛/ライター)
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は12月18日より全国公開中。
伊藤 隆剛(いとう りゅうごう)
ライター時々エディター。出版社、広告制作会社を経て、2013年よりフリー。ボブ・ディランの饒舌さ、モータウンの品質安定ぶり、ジョージ・ハリスンの 趣味性、モーズ・アリソンの脱力加減、細野晴臣の来る者を拒まない寛容さ、大瀧詠一の大きな史観、ハーマンズ・ハーミッツの脳天気さ、アズテック・カメラ の青さ、渋谷系の節操のなさ、スチャダラパーの“それってどうなの?”的視点を糧に、音楽/映画/オーディオビジュアル/ライフスタイル/書籍にまつわる 記事を日々専門誌やウェブサイトに寄稿している。1973年生まれ。名古屋在住。
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