(4)結婚、出産、破局にケンカ…ハリウッドセレブの2015年を振り返る

ディズニーにケンカをふっかけたクエンティン・タランティーノ監督
ディズニーにケンカをふっかけたクエンティン・タランティーノ監督

今年も1年を通して様々なニュースで賑わせたハリウッドセレブたち。彼らの動向を振り返ってみよう。

●セレブ同士の喧嘩

SNSの発達によって、セレブ同士が衆人環視の中で争うことも年々増えてきた。今年もあちこちで公開バトルが発生。

まずは3月に人気グループ「ワン・ダイレクション(1D)」から突然脱退を表明したゼイン・マリク。普通の生活を送りたいと引退もほのめかしたのに、数日後にはソロ・デビューの計画が明らかになり、これに1Dメンバーのルイ・トムリンソンが反発。ゼインとスタジオ入りした音楽プロデューサー、ノーティ・ボーイがツイッターにアップしたツーショット画像の加工について「まだこんなの使ってる人がいるんだ!」とからかったのが発端。ノーティ・ボーイが「ルイ・トムリンソンたちは歌も歌えない」と言い返し、2人の間で言い争いが始まったが、静観していたゼインがルイに向けて「自分にやることがあったから、僕について嫌なコメントをするのをやめたことがあったのを覚えてる?」とリプライ。両者の溝が深まった。

ゼインは8月に、テイラー・スウィフトが音楽配信サービス「Spotify」から楽曲を削除したことについても、一般ユーザーがテイラーを揶揄したつぶやきをリツイート。これに反発したテイラーの恋人のカルヴィン・ハリスと激しい応酬を繰り広げた。「成功したアーティストが業界の他のミュージシャンやソングライターの利益のために自身の名声を利用する意義がわからないなら、俺をメンションに加えないでくれ」「自分の理解できないことには首を突っ込むな」と言うカルヴィンにゼインは「君も明らかに俺の言ったことを全然わかってないよ」「入れ歯が落ちちゃう前に落ち着くことを薦めるよ」と応戦。最後はカルヴィンが「幸運を祈るよ、本当に。君は素晴らしい声を持っている」と大人の対応で停戦した。ちなみに、ルイはこの騒動でのカルヴィンのツイートをお気に入り登録している。

一方、インスタグラムやツイッターでセレブ・ライフをひんぱんにアップしているテイラー・スウィフトとケイティ・ペリー。当初は仲良しでSNS上でも交流していた歌姫同士の対決は2013年頃からうわさされるようになったが、昨年リリースしたテイラーのアルバム「1989」の収録曲「Bad Blood」をめぐって騒動に。同曲について、ある女性アーティストについて書いた曲だとテイラー自身が認めたことから、ケイティとの確執をテーマにしたと憶測が出た。自身のツアーに同行する予定だったダンサーたちを横取りされ、友情が壊れたと確信したことを書いたというのだが、これは実際にテイラーとケイティの間で起きたトラブルなのだ。そして今年5月に発表された同曲のMVでは、テイラーの敵役で出演しているセレーナ・ゴメスが黒髪のボブスタイルでケイティに似せた外見にしたこともうわさに拍車をかけた。テイラーは「特定の誰かを名指しした曲じゃない」と発言しているが、わざわざ自分から話を蒸し返している感も否めない。

SNSではなくポッドキャスト番組で、映画で共演したチャニング・テイタムとの不仲をぶっちゃけたのはアレックス・ペティファーだ。男性ストリッパーの群像劇『マジック・マイク』でチャニング扮する主人公の弟分を演じたアレックスは、撮影現場での自分の振舞いなどが原因でチャニングに嫌われていたと明言。当時ニューヨークで借りていたアパートが、チャニングの友人が所有する物件だったのだが、カビと埃でアレルギー症状が出たため急きょ引き払ったことが、まずチャニングの怒りを買ったのだという。チャニングから「俺の友だちをナメるな。家賃を払え」と強い調子でメールが来るようになったという。同時期に親戚が亡くなったことでも落ち込んでいたアレックスは「つらい状況なので少し待ってほしい。それどころじゃないんだ」と返信してしまった。撮影現場では、緊張から役になりきっていたことでさらに孤立を深めたというアレックス。「僕が悪かったんだ」と語っている。この件については沈黙を守るチャニングだが、最新出演作であるクエンティン・タランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』で役をゲットするためにメール攻撃をしていたことを自ら告白している。どうしても出演したかったので、ライバル俳優たちが候補に挙がらないように、とタランティーノに1ヵ月間ほど毎日送っていたという。彼のメールの威力は疑う余地なさそうだ。

一方、タランティーノは映画の上映劇場数をめぐってラジオでディズニーを避難した。タランティーノは新作『ヘイトフル・エイト』を70ミリフィルムで撮影、本作を70ミリ作品上映設備のあるロサンゼルスの有名な映画館「シネラマドーム」で上映していたのだが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を配給するディズニーが劇場側に、クリスマス・シーズンには同作を上映するよう圧力をかけたとタランティーノは訴えている。ディズニー側に劇場を奪われたと激怒しつつも、彼は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のJ.J.エイブラムス監督については「僕はJ.J.が大好きだ」と発言。抗議は「『スター・ウォーズ』の人たちに言っているんじゃない。ディズニーの人たちに対してだ」と話している。だが、実際この上映スケジュールは数ヵ月前から決定済みでシネラマドーム側も『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開に合わせて設備をアップグレードしたことなどから、これまでタランティーノが事実を知らずにいただけというのが真相のようだ。(5「往年のスターたちの大往生」へ続く…)

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