【週末シネマリサーチ】〜週末公開作のランキングを予想!〜
(…前編より続く)
〇【5位予想】『映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!』
『映画プリキュア』シリーズ20作目の記念作品。シリーズ初の本格ミュージカルとして、作曲家の森雪之丞がミュージカルプロデュースを担当することでも話題になった。ゲスト声優を俳優の山本耕史、ミュージカル女優の新妻聖子らがつとめる。
1年に2回劇場公開される『プリキュア』シリーズだが、東映のアベレージヒッターとして安定した数字を残している。特に春休み映画として公開される『プリキュアオールスターズ』は人気で、『映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』(15年)は全国213スクリーンで公開され初週土日動員11万2000人、『映画プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』(14年)は17万2000人、『映画プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち』(13年)は17万6000人と好結果だ。
本作も過去作同様、約210館と劇場公開館はそろった。2月17日には公開アフレコ&レコーディングが行われ、山本が登場。キャスティングが決まった際には妻の堀北真希から「一緒に映画を見に行こう」と誘われたことを発言し、多くのメディアのニュースになった。過去の実績から15万人前後の集客は見込めるだろう。
▲【6位予想】『僕だけがいない街』
三部けい原作の人気コミックを実写映画化。周囲で嫌な雰囲気を察すると時間が戻ってしまう「リバイバル」現象をたびたび経験する青年が、自身に起きた最大の惨事を防ごうとする姿を描く。主演は藤原竜也、ヒロインを有村架純が演じる。
ファンが多い原作プラス、現在フジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」でアニメが同時進行中と話題性は高い。配給は違うが同じく「ノイタミナ」でテレビアニメ化された後に実写映画化となった『銀の匙 Silver Spoon』(14年/東宝)は全国285スクリーンで公開され初週土日動員9万9000人という結果だった。
本作は約330館での公開。3月13日には「公開直前ホワイトデー試写会」が開催され、真っ白なスーツで登場した藤原が観客一人一人にチョコレートをプレゼントするというサプライズが大きく報道された。原作は先日最終回を迎えたが、撮影中は結末が分かっていなかった段階での実写化。サスペンス要素が含まれている作品だけに、その結末に対してどういう反応があるか非常に興味深い。初週の評判が大きく動員に影響しそうだ。
△【9位予想】『リリーのすべて』
世界初の性別適合手術を受けたことで知られるリリー・エルベの生涯を描いた物語。映画『英国王のスピーチ』のトム・フーパー監督がメガホンをとり、エディ・レッドメインが主演をつとめる。
第88回アカデミー賞でアリシア・ヴィキャンデルが助演女優賞を受賞するなど、賞レースで非常に高い評価を受けた本作。フーパー監督は『レ・ミゼラブル』(12年/東宝東和)が全国360スクリーンで公開され、初週土日動員22万9000人、『英国王のスピーチ』(11年/ギャガ)が全国107スクリーンで初週動員7万7000人という結果がある。
本作は70館弱での公開。前評判は高く3月9日には監督と共に主演のエディ・レッドメインが来日。日本のファンの熱狂ぶりに興奮した様子が伝えられた。小規模公開のため上位にランクインすることは難しそうだが、4〜5万人の集客は十分期待できそうだ。
【注目シネマ】
*『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』
イギリスの名優イアン・マッケランが、引退した93歳のシャーロック・ホームズに扮し、自身を引退に追い込んだ未解決事件と対峙する姿を描く。事件解決の動機となる事柄に関与する日本人役を真田広之がつとめる。
劇場公開数は約20館と少ないが、ホームズファンは日本にも多い。英国BBCドラマの特別編を劇場公開した『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』(16年/KADOKAWA)は全国105スクリーンで公開され初週土日動員4万8000人を記録した。世界的に有名な探偵シャーロック・ホームズの引退後を描いた本作は、これまでのホームズ像を覆すほど新鮮さに満ち溢れており注目度は高い。(文:磯部正和/映画ライター)
磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。
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