映画『マンハント』のジャパンプレミアが1月30日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、福山雅治、國村隼、倉田保昭、斎藤工、桜庭ななみ、池内博之、TAO、アンジェルス・ウー(ジョン・ウー監督の娘)、ジョン・ウー監督が出席した。
本作は中国でも1979年に公開され大ヒットを記録した高倉健主演の『君よ憤怒の河を渉れ』を、『男たちの挽歌』などのウー監督がリメイクしたサスペンスアクション。無実の罪を着せられた弁護士ドゥ・チウ(チャン・ハンユー)と彼を追う刑事・矢村聡(福山)が、やがて真相を求めて共闘する姿を描く。
オファーを受けた心境を福山は「嬉しかったと同時に僕でいいのだろうかと不安も大きかったです。アクションはほぼ未経験なので、そういう人間がジョン・ウーさんの作品に出ていいのかと。でも、こういう機会はもう一生ないと思い、ここは飛び込むしかないと思って飛び込みました」と話し、アクションには「めちゃくちゃハードです」とアピール。
オファーをしたウー監督は「前から注目しているアーティストの方で、世界に向けてポジティブなメッセージを発信していて、人情があり正義感があり、私が考えていた矢村像にピッタリで、オファーさせていただきました」と福山の人柄に惹かれたと振り返った。
ウー監督といえば世界的な巨匠の1人。その現場を福山が「参加人数も多かったですし、山を切り開いて牧場や道を作る大掛かりなセットは初めての経験だったので、スケールを感じました」と感慨深く振り返れば、『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』以来25年ぶりにウー監督作品に出演した國村は「当時と何も変わっていないです。パワフルで物静かで、淡々と現場が進行するんです」と述懐。
『続・拳撃 悪客』(71年)で香港映画に初出演しカンフースターとして活躍してきた倉田も「当時、チャン・チェ監督という大監督の現場に(ウー監督が)助監督でいらして、片言の日本語で教えてもらったり汚い食堂で一緒に食事をしたりしました。当時チャン・チェ監督にアドバイスできる人は誰もいなかったけど、それを弱冠21〜22歳のウー監督が助言するくらいすごい助監督でした」と貴重なエピソードを紹介した。
また、ウー監督の大ファンという斎藤は「ただの映画少年が現場に来てしまったような感じでした。ここはファンとして勇気を持ってジョン・ウーさんのDVDを現場に持ち込もうと」と『ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門』のDVDにサインをしてもらったエピソードを紹介すると、ウー監督作品のトレードマークともいえる白い鳩のシーンにも出演した福山も「モニターでチェックしている時に『これは撮らせていただきます』って画面を写メしましたもん。嬉しかったですね」と童心に返ったようにニンマリ。
イベントの最後にウー監督は、日本映画の大ファンでもあり念願の日本で撮影できた喜びとともに、「次回また日本で映画を撮るのが夢です。その時はみなさんと通訳なしでコミュニケーションしたいです」と話し、大きな拍手の中で幕を下ろした。
『マンハント』は2月9日より全国公開となる。
(text&photo:中村好伸)
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