第68回ヴェネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞をW受賞した染谷将太と二階堂ふみ。これを受け2人が、9月11日にCROSS COOP青山で緊急記者会見を行った。
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・『ヒミズ』緊急記者会見、その他の写真
マルチェロ・マストロヤンニ賞は、1996年に亡くなったイタリアの名優マストロヤンニに因み、98年に設立された新人俳優に与えられる賞。日本人の受賞は初めてで、感想を聞かれた染谷は「最初は『これは本当なのか!?』と一瞬疑いました(笑)。今もなにやらフワフワしているのですが、こうして会見に出席し、徐々に実感が沸いてきました」と回答。二階堂は「染谷君から電話で教えてもらったのですが、ウソとしか思えなくて(笑)。今でもあまり実感がなくて、ウソなんじゃないかという気持ちでいっぱいです」と話していた。
2人は映画祭にも参加。海外映画祭は初体験という染谷は、開催地ヴェネチア・リド島の様子について「島全体がお祭りの雰囲気で盛り上がっていて楽しかった。会見後のフォトセッションではイタリア人のカメラマンが多かったのですが、勢いがものすごくて文化の違いを感じました。ジャンプしてくれと言われたり(笑)」と振り返った。
海外映画祭はもとより海外自体が初めてだったという二階堂は「成田の時点で異国過ぎて(笑)、染谷君の隣で怖がってました。でも、着いたらすごく楽しくて、(道行く人と)目が合うと必ずニコッと笑ってくれたので嬉しかった」と無邪気な笑顔を浮かべていた。
メガホンを取ったのは、いま日本で最も勢いのある監督・園子温。厳しいことでも有名で、二階堂も「最初のリハでは緊張や不安で怖かった」と言うものの、実際には「厳しいってことはなくて、愛のある優しい監督だと思います」と語った。
とはいえ、やはり甘いわけではないようで、リハーサルの後、園監督から「二階堂君は4点、染谷君は45点と言われた」と演技に厳しい点を付けられたことを明かした。だが、それでもへこたれない二階堂は「次のリハでは60点目指そうと思った。(監督が)結構『良かった』と笑顔を見せてくれたので(期待して)『何点ですか?』と聞いたら、『12点だ』って言われた」と不満げな表情。「『60点を目指してた』って監督に言ったら、『60点に限りなく近い12点』と言われた」と苦笑いしていた。
一方、園監督の現場を体験した感想を聞かれた染谷は、「今までで一番自由に芝居ができた気がする」とコメント。「テストがなくてぶっつけ本番なので、台本通りにはいかない。今回は“大人VS若者”という映画でもあり大人の方がすごい攻め方をしてくるので、僕もそれに応じて(演技を)変えていきました」と話し、新境地を開拓したと明かしていた。
二階堂も「女優としてもそうですが、人間性も変わった」と、大きく影響を受けた様子。「園さんの現場に入るまでは臆病で、自分を捨てることができずにモヤモヤしていたのですが、園さんに全てをはぎとられたというか……。人間的にも強くなった気がします」と話していた。
今回の受賞について染谷は「若者の“あがき”を描いた役なので、未来を作っていく(全世界の)若者への賞だと思っています」とコメント。一方、今後の抱負を聞かれた二階堂は「女優を始めたときから、とにかく世界に出たいという気持ちがあったので、大きく進めた気がします。これに満足せず、世界規模で人間性を大きくしていければ」と語ってから、「あと10日すると誕生日ですが(9月21日)、今年は最高の誕生日を迎えられます」と満面の笑みを浮かべていた。
『ヒミズ』は2012年春に公開される予定。
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