アカデミー賞主演女優賞受賞から、わずか1年でモナコ公妃となった伝説の女優グレース・ケリー。彼女の知られざる一面をニコール・キッドマン主演で映画化した『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』のオリヴィエ・ダアン監督が来日し、9月25日にイイノホールで行われたジャパンプレミアに、スペシャルゲストの中村玉緒とともに登壇した。
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日本には何度も来日しているというダアン監督は、グレース・ケリーについて「私は映画監督ですから、女優としてのグレース・ケリーにも大変興味がありますが、個人的には彼女が映画をあきらめてプリンスになったのは少し寂しく、残念に思います」とコメント。
本作がケリーの知られざる葛藤や内面を描いていることについては「伝記映画を撮りたくはなかった。今回はグレース・ケリーのポートレートであり、まるで彼女がヒッチコックの作品にまた出演しているかのような雰囲気を描きたかった」と述べると、「彼女の人生は華やかで、人が聞いたらワクワクするようなおとぎ話のようなものだったけど、本当の彼女は悩み、苦しみ、女優に戻りたいという強い気持ちがあった。当時は実際に女優に戻るチャンスもあったが、結局はそうしなかった。彼女の人生において、映画に戻れないというのは断腸の思いだったに違いないと思う。女優としての頂点から降りるかどうかの決断の裏に秘められた彼女の苦悩を、今回はどうしても描きたかったんだ」と話した。
また、初めからニコールに演じて欲しいと思っていたのかと尋ねられると、「実はニコールに演じてもらう気は最初は全くなかったんだ」と回答。「ただ、色んな女優と会ってもひとりもピンと来る人がいなくて。その後、ニコールのマネージャーから逆オファーがあって、ニコールとスカイプで2時間ほど話した。会話が終わる頃には、彼女でやることへの思いが自然と固まっていたよ」と明かした。
一方、中村は「モナコ公妃になることへの決断、女優を捨てることの決断、色々な決断を経てグレース・ケリーの表情がどんどん変わってくるところが印象深かったですし、それを見事に演じたニコール・キッドマンさんは本当に素晴らしかったです!」と本作を絶賛。
また、自身もグレース・ケリーのように仕事とプライベートとの間で葛藤することがあったそうで、「私は結婚してすぐ子どもができたのですが、女優をやめようと決意していたところに、監督が会いに来てくれたり、オファーをいただくと、ムラムラっとして決意が緩むんです。そんなとき、主人(勝新太郎)から『出てももいいよ』と言われたのは映画のグレース・ケリーと同じでした。彼女にとっても、私にとってもそのひと言は本当に大きかったと思います」と話した。
さらに、ダアン監督が『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』でマリオン・コティヤール、本作でニコール・キッドマンと大物女優を起用し映画化していることから、次回は中村玉緒主演の映画を撮る気はないかと聞かれると、監督は「もちろんです撮りたいです。日本のプロデューサーの人、待ってます」と答え、中村も「おばあさんの役でも何でも、どうぞよろしくお願いいたします!」と応じていた。
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』は10月18日よりTOHOシネマズ有楽座ほかにて全国公開となる。
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