【落語家・瀧川鯉八の映画でもみるか。/第11回】
食わず嫌いというか、天の邪鬼というか、面倒くさがりなのか、これまでの人生でタランティーノには手をつけないようにしてました。
タランティーノを知ったのは、『キル・ビル』の頃さかんに宣伝していたので、その存在には気づいていましたが、なんとなく敬遠していました。
タランティーノの顔つきだとか、その言動であるとか、どうせ大したことないだろうとか、勝手に思っていました。
今回自粛期間中に思いきって見てみるかと踏ん切りがつき、見るにあたって代表作を調べることにしました。
ネットの情報ではどれもこれも1994年公開の『パルプフィクション』だと。
『パルプフィクション』という映画は何度も耳にしたことがあります。
そのくらい有名だったのでしょう。どのレビューを見ても傑作だと書いてありました。
映画史を変えたとも。
余計見るのが怖くなりました。
面白かったらどうしよう、四半世紀も見てこなかったことを悔やむような映画だったらどうしよう、若い頃に見ておけば人生観が変わってもっと素敵な男になっていたかもしれないのに、面白かったらどうしよう、面白くなかったらどうしよう、ぼくにだけわからなかったらどうしよう、でもやっぱり面白かったらどうしよう、と怖くなりました。
けれど今回の自粛期間は勇気を出して新しいものにチャレンジするいい機会だと自分に言い聞かせて見てみました。
大傑作でした。
かっこよかった。
映像も音楽もセリフ回しも展開もリズムもテンポも素晴らしかった。
エンタメの最高峰だと。
ドキドキワクワクウキウキしました。
映画の醍醐味盛り沢山。
当時、劇場で見ていたらどれだけ感激したことでしょう。
タランティーノは天才だと思いました。
この四半世紀にどれだけの人が影響を受けていたのかがよくわかりました。
あの映画もドラマもこれに影響受けていたのか!と。
みんな傑作だ!と言うのですが、ならなんでもっと声高に叫ばないんだと怒りが沸いてきました。
これ越える映画なんてそうそうないだろうと。
もっと早く教えろよと。
もっと素敵な男になれたのに!
『パルプフィクション』はカンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)に輝いたそうです。
そりゃそうでしょう。
世界が熱狂したことでしょう。
監督として2作目での快挙でした。
評価やみんなが誉め称えるのは時間差があるものなので、きっと1作目がすごい面白かったのだろうと思い、デビュー作『レザボアドックス』も見ました。
こっちのほうが面白い!
『レザボアドックス』面白すぎるぞ!
時間も短いし、繰り返し鑑賞するなら絶対こっち!
何度も見ました。
『レザボアドックス』はさすがに見てないだろうと、たくさんの人に電話しましたが、みんな既に見ていました。
言えよ!
教えろよ!
出会ったときがその人にとっての最良のタイミングである、みたいなことを聞いたことがあるけれども、早く見たかった!
人生変わってた!
良くも悪くも。
ご覧なってない方はあまりいないかもしれませが、騙されたと思って是非チャレンジしてください。
サントラも買いました。
この2作しか見ていません。
代表作だけ見ていればいいと思うからです。
もしお薦めがあれば教えてほしいです。
後悔したくないので。
※【鯉八の映画でもみるか。】は毎月15日に連載中(朝7時更新)。
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