テレビドラマにもなり話題を呼んだ角田光代の「八日目の蝉」。この人気小説を井上真央、永作博美の共演で映画化した同名映画の先行上映会が、4月9日に香川県小豆島の中央公民館で行われ、成島出監督が舞台挨拶を行った。
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不倫相手の子を妊娠するも堕胎した女性・希和子(永作博美)が、不倫相手と本妻との間に生まれた生後間もない女児を誘拐。希和子の逃避行と、数奇な運命を背負った女児の成長後の葛藤を描いた力強い作品だ。
小豆島は幼子を連れた希和子の逃亡先のひとつとして登場。まるで実の母子のような絆で結ばれた2人の、短くも平穏な日々の舞台となっている。劇中では、のべ200人もの島民もエキストラで出演。また、6年前まで行われていた、竹で作った火手(ほて)というたいまつを手に道を練り歩く豊作祈願の祭り「中山の虫送り」も再現し重要なシーンとして登場させるなど、島民の全面的な協力で映画が完成した。
舞台挨拶で成島監督は、「全キャスト、全スタッフを代表してお礼を申し上げる。こんなに気持ちよく撮影させていただいたのは、小豆島が初めてで、本当に幸せだった。この映画を見て、1人でも多く、この美しい島を訪れてもらい、恩返しがしたい」と島の人々への感謝を語った。
その後、開かれた会見でも、成島監督は小豆島の人々を絶賛。「小豆島の方々は安請け合いはしないが、一度わかったというと全力で協力してくれる。今の民主党や政治家にも見てほしい」と話していた。
映画については「(井上真央が演じる)恵理菜の感じる居場所の無さ、希和子が犯罪者になっていく心理は、現在の日本で多くの方が感じていること」と説明。「この映画を見て、少しでも傷んだ心が癒されてくれれば」と語っていた。
『八日目の蝉』は4月29日より全国公開される。
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