『鈴木先生』主演の長谷川博己、ドラマ低視聴率を乗り越えての映画化に喜び
文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受章した武富健治のマンガを映画化した『鈴木先生』の完成披露試写会が、11月26日に角川シネマ新宿で行われ、キャストの長谷川博己、臼田あさ美、土屋太鳳、風間俊介、富田靖子と原作者の武富、そして河合勇人監督が登壇した。
・大物女優を相手に無我夢中の長谷川博己、監督からもしごかれヘロヘロ
昨年、ドラマ化もされ、視聴率は低迷したもののドラマもギャラクシー賞優秀賞など数々の賞を受賞。「今の学校教育は、手のかからない生徒の“心の摩耗”の上に支えられている」と感じ、常識を打ち破る“鈴木メソッド”で理想のクラス作りを目指す鈴木先生の奮闘を描いた異色作だ。
黒縁メガネにループタイがトレードマークの主人公・鈴木先生をドラマに引き続き演じた長谷川は「(2%台という低視聴率のため)ドラマ撮影中は映画化は難しいだろうという雰囲気だったので、こうやって皆さまの前に立てることを幸せに思います」と映画の完成を喜んだ。
久々の“鈴木先生”スタイルについては「鈴木先生というスイッチが入ったりするのかなと思っていたのですが、そういう感じも特になくて」と感想を述べると、人質事件を起こす卒業生役の風間は「この姿が自然すぎて、普段から長谷川さんはこういう格好でいるんじゃないか」と適役ぶりを指摘していた。
臼田、土屋、富田もドラマからの続投組。臼田は「妻になり“鈴木麻美”になりました」と自己紹介。今回は妊婦役だが「母性が強くなってドラマのようなどぎつさが薄れるのかと思いましたが、相変わらず暴走し、パワーアップした」とも話していた。
鈴木先生の天敵・家庭科教師の足子先生を演じた富田は「まさか映画にも出てくるとは」と予想外の出演を驚き、「足子先生は演じていて本当にいい役。胸につっかえたようなものがスルっと言える感じで、心ゆくまで堪能しました」と撮影の楽しさを明かした。
また、優等生のヒロインを演じた土屋は「生徒役は私ひとりで気が遠くなりそう」と気弱な一面をのぞかせるも、「(生徒役の共演者に)久しぶりに会ったら見た目だけでなく内面や演技も成長していたので、負けたくないという気持ちでお互いに切磋琢磨できた」と満足げ。
一方、新キャラクターとして参加した風間は「ドラマのファンだったから嬉しかった」と出演を喜び、普通の人が壊れざるを得ない状況になってしまった社会とどう向き合うかについて、監督と話しながら撮っていました。それを感じてもらえたら」と真摯に語っていた。
映画については、「マンガを描きながら、1学期はドラマで2学期は映画……と勝手にイメージしていたのですが、マンガではうまく描けなかったものを洗練した形で実写にしていただきました」と原作者としての満足を語った武富。監督は「知り合いから、子どもと見たらゾッとした、もう少し家族で楽しめる作品にしてくれという苦情が来ました」と苦笑い。「僕としては、ぜひ親子で見ていただいて、会話をドンドンして欲しい」と希望を語っていた。
『鈴木先生』は2013年1月12日より角川シネマ新宿ほかにて全国公開される。
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