安藤サクラ主演の『百円の恋』が12月20日に封切りとなり、テアトル新宿で行われた初日舞台挨拶に安藤のほか、新井浩文、武正晴監督、足立紳(脚本)が登壇した。
本作は、32歳ながら実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた一子(安藤サクラ)が、離婚して子連れで実家に帰ってきた妹の二三子とケンカになってしまい、ヤケクソで家を出て一人暮らしを始めるところから始まる。
百円ショップで深夜労働にありつくが、そこは底辺の人間たちの巣窟だった。そんな冴えない日々のなかで、一子は帰り道に通るボクシングジムでトレーニングするボクサー狩野(新井浩文)と出会い、遅咲きの恋が始まる。だが、ささやかな幸せは長くは続かず、一子は衝動的に自らボクシングジムに通い出す。
主人公の一子を演じた安藤は「今日はありがとうございます。私が演じた一子が初めてボクシングのリングに上がった時みたいな気分で震えています」と挨拶。
完成作の感想について聞かれると、「自分の出ている作品はそれだけで見るとソワソワしてしまうのですが、終盤はそのソワソワも忘れて興奮しました。自分じゃない感じがして、武監督カッコいいよ!と思いました」と語った。
また安藤は劇中で、自堕落な生活をしているときのユル〜イ体と、ボクサーとして引き締まった体の両方を見せているが「肉体的には無茶していると思うんですけど、武組は苦痛じゃなかったです。みんな一子みたいに現場で戦っていて、新井さんも同じ方向を向いてくれるので幸せな時間でした」と話し、肉体管理については「こんなに短期間で変われるんだ、神秘的で人間ってすごいなと思い、生き物としての自信にもつながりました」と話していた。
一方、一子がボクシングを始めるきっかけとなる狩野役を演じた新井は「サクラさんも言ったように人間てすごいなと思いました。低予算で、撮影日数も少ないなか、監督がブレないのが良かったと思います。怒鳴り声もある心地よい現場でした」とコメント。
続けて「今現役の映画女優でサクラが一番だと思うので、それくらいのことはやるだろうと思っていました」とロバート・デ・ニーロばりの肉体改造を伴う安藤の女優魂を絶賛していた。
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