(…前編より続く)
○【2位予想】『ジュラシック・ワールド』
『ジェラシック・パーク』シリーズ14年ぶりとなる最新作。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮にまわり、コリン・トレボロウ監督がメガホンをとった。玉木宏、木村佳乃、松岡茉優らが日本語吹き替え声優をつとめる。
6月12日に全米をはじめ世界各国で封切られると、オープニング3日間の世界興収で約5億2400万ドルを叩き出し、これまでのトップだった『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』を抜き歴代最高を記録。その後も大ヒットを続け、7月21日時点で世界興収15億2200万ドルを達成し、公開から1ヵ月あまりで、『アバター』(09年)、『タイタニック』(97年)に次ぐ歴代興収3位となった。
93年に公開された『ジュラシック・パーク』は日本で配給収入約83億円(興収ベースで約141億円)を記録するなど、モンスターヒットを遂げた。その後2作品は『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』(97年)が約98億円、『ジュラシック・パークIII』(01年)が51億円と数字を下げているが、本作は14年ぶりのシリーズということでファンの期待度も高い。映像もかなりグレードアップしており、極上のエンターテインメントとしてヒットが期待できる。8月5日(水)公開、大作ひしめく状況のため、土日だけでどのぐらい数字が出るかは未知数だが、週末だけでも40〜50万人は期待したい。
・【週末シネマリサーチ】(前編)今夏大本命「ジュラシック」VS「ミッション」熾烈を極める首位争いを制するのは!
▲【5位予想】『BORUTO NARUTO THE MOVIE』
岸本斉史の人気コミック「NARUTO」の主人公ナルトの息子ボルトを描いた劇場版アニメーション。「NARUTO新時代開幕プロジェクト」の一環として、原作者自ら脚本やキャラクターデザインをつとめている。
14年に原作コミックが終了後、どのような展開になっていくのかが注目されるなかで始まった「NARUTO新時代開幕プロジェクト」。その集大成となる本作だけに注目度は高い。前作の『THE LAST NARUTO THE MOVIE』(14年)は、全国266スクリーンで公開され、動員39万6000人、興収5億1500万円を記録し、シリーズ史上最高のスタートを切った。
本作もこれまで同様、約260館でのスタート。ナルトの息子・ボルトが主人公ということで、どこまでファンの食指が動くかが焦点になりそうだが、作品自体の評判はすこぶる良い。「LAST」だった前作の数字はやや荷が重いかと思われるが、20〜30万人は外せないところか。
△【7位予想】『劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』
平成ライダーシリーズ第16作目「仮面ライダードライブ」の劇場公開版。『手裏剣戦隊ニンニンジャー THE MOVIE 恐竜殿さまアッパレ忍法帖!』の2本立てで公開される。
東映のヒットコンテンツ『仮面ライダー』。「スーパーヒーロー大戦」シリーズや、「MOVIE大戦」シリーズなど多くのシリーズがあるが、近年は常に10〜15万人と安定した動員数を誇っている。
7月22日には、完成披露イベントが行われ、ゲスト俳優として出演している柳沢慎吾が「1人警視庁24時」ネタを披露するなど盛り上げた。上映館数は約310。夏休みに入り、子どもたちの動員も期待できる。15万人はいきたいところだろう。
△【8位予想】『日本のいちばん長い日』
半藤一利のノンフィクションを映画『クライマーズ・ハイ』の原田眞人監督が映画化。1945年8月15日の終戦前後の、日本政府の舞台裏を描く。役所広司、本木雅弘、堤真一、山崎努らが激動の人物に命を吹き込む。
安保法案など、戦後70年にして“戦争”というキーワードが多く聞かれる2015年。本作も、8月3日に行われた外国特派員協会で行われた記者会見では、役所や原田監督が「昭和天皇」や「戦争」について大いに語った。
骨太な作品を描くことで定評のある原田監督作品。ハリウッド大作や、娯楽エンターテインメント作品が並ぶなか、本作がどのような数字を出すかは非常に興味深い。上映館は約260。
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