『劇場版 MOZU』の初日舞台挨拶が11月7日にTOHOシネマズ日劇で行われ、主演をつとめた西島秀俊をはじめ、香川照之、伊勢谷友介、松坂桃李、池松壮亮、ビートたけし、羽住英一郎監督が登壇した。西島は約2年半に渡る『MOZU』シリーズが完結を迎えることに「胸がいっぱいで震える思いです」と感無量な表情を浮かべていた。
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本作は逢坂剛のハードボイルド小説「百舌」シリーズを『海猿』の羽住監督が連続ドラマ化した作品の劇場公開版。最大にして最強、日本の重大犯罪を裏で操ってきた敵ダルマとの壮絶な死闘を描く。
ドラマから2年半以上、苦楽を共にしてきた西島や香川、池松ら『MOZU』の顔となる面々は、感無量な表情で登壇。口々に「MOZU」愛を述べる。そんな中、本作で最強にして最悪の敵ダルマを演じたたけしは「何か分からずバケモノのような格好で火にさらされただけで……。役者冥利に尽きる役ですね」と皮肉たっぷりに語り会場を盛り上げた。
そんなマイペースなたけしだが、西島にとっては「いまの僕があるのは北野さんのおかげ」と言わしめるほど大きな存在。「北野監督の『Dolls』(03年)という映画に出させてもらったのですが、当時僕は無名だったので抜てきしていただいた形なんです。その撮影が終わったとき『これから君の人生は変わるだろうけれど、自分を見失わずに一生懸命やってください』って言っていただいて……。ずっとその言葉を意識してやっていました」と感謝の意を述べた。
西島の言葉に会場はしんみりした雰囲気に包まれたが、そこはお笑い芸人のたけし。「運良く漫才で売れて、その後は講談社に殴りこみに行き前科一犯になりました。さらに交通事故で死にそうになり、最近は“老いらくの恋”なんて(週刊誌に)書かれまして……。有名になっても私みたいな人生を歩まないでほしいね、情けないね」と自虐ネタで切りかえし爆笑を誘った。
ここで『MOZU』はいったん区切りをつける形となったが、香川は「現在の映画界ではトップクラスの現場。そんな場所に3年間近くもいられたことによって人生が潤いあるものになった」とキャストやスタッフに最大級の賛辞を送ると、西島も「また次を早くやりたい」と羽住組&MOZUキャスト陣にラブコールを送っていた。(text&photo:磯部正和)
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