【元ネタ比較】映画『BLAME!』後編
アニメ版ゴジラも話題の
ポリゴン・ピクチュアズによる3DCG進化系
「進撃の巨人」の作者・諫山創や海外のクリエイターもリスペクトするという、弐瓶勉(にへいつとむ)原作によるSFコミック「BLAME!」が劇場アニメ化された。アニメーション制作は同原作者による『シドニアの騎士』や『亜人』、2017年11月公開予定の話題作『GODZILLA』などを手がける3DCGに特化した制作会社ポリゴン・ピクチュアズだ。
3DCGアニメというと、最近では『SING シング』など立体的でなめらかで流麗な動きを見せるアニメ作品を思い浮かべるだろう。
でも、本作は従来のセル画が培ってきた日本のアニメの良さも加味。わざと日本人に馴染みやすい平坦なタッチで表現されている。聞くところによると、機械的に計算されたCG頼みの描き方をせず、遠くから近づいてきたときには計算上よりも大きく描いて迫力出すといった工夫もなされているのだとか。
また『亜人』のときには、立っているときでも微妙に揺れていたり、手の仕草に無駄な動きがあったりと、やたらとリアル過ぎる動きがあって、脱力系アニメの『Peeping Life』みたいだなぁ〜と逆効果に感じられてしまったが、そんな細か過ぎる動きもなくすっきりとシンプルになっている。
謎多き霧亥は主人公というよりもヒーロー的な存在として描かれ、“ネット端末遺伝子”といった謎に包まれたものは謎なものとして描かれ、見るものに優しい作り。
そして、とにかく原作のように何が起きているのかわからないなんてことはなく、展開に集中して手に汗握ることができる。人間に襲いかかる能面のようなマネキンのような顔を持つ殺戮マシン“駆除系”とのバトルシーンは圧巻。
Netflixでも配信されるが、限定2週間の劇場公開では特に音響にこだわった本作のために爆音上映も実施される。『ガールズ&パンツァー』などの爆音上映に歓喜する音響システムにこだわるアニメファンは、ぜひ劇場での鑑賞をおすすめしたい。(文:入江奈々/ライター)
『BLAME!』は5月20日より全国公開、Netflixで配信される。
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