『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』ロバート・ブロンジー インタビュー

あまりに激似で話題沸騰、伝説的スターの“後継者”を直撃!

#ロバート・ブロンジー

ブロンソンに似ていることを意識し始めたのは、20歳くらいだったかも

『さらば友よ』や『狼よさらば』など、ワイルドな存在感とあふれる男気で人気を集めた伝説の映画スター、チャールズ・ブロンソン。日本でも「マンダム」のCMで親しまれたブロンソンだが、そんな彼とあまりにも激似だと話題沸騰中のニュースターが登場した。彼の名前はロバート・ブロンジー。このたび、映画初主演作『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』が日本公開されることが決定。そこで同作のプロモーションのために緊急来日していたブロンジーに、俳優になりたいと願っていた時期の話、そしてチャールズ・ブロンソンへの思いなどを聞いた。

──チャールズ・ブロンソンの代名詞ともいうべき『デス・ウィッシュ』シリーズが現代に蘇ったようで興奮しました。この映画のお話を聞いた時の気持ちはいかがでしたか?

ブロンジー:話を聞いたとき、とても幸せだと思いました。この役を演じることをとても光栄に思っています。俳優としてもチャールズ・ブロンソン的な役柄を継承するものを続けていきたい、演じていきたいと思っています。わたしの演じる『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』のストレンジャーは、法的には間違ったことをしているかもしれないが、正義を貫き、筋を通しているわけです。

──この映画は特に『デス・ウィッシュ』シリーズ第1弾であり、ヴィジランテ(自警団)映画のルーツとも言うべき傑作『狼よさらば』(1974)にオマージュを捧げていますね。

ロバート・ブロンジー

ブロンジー:(『デス・ウィッシュ』シリーズ第1弾)『狼よさらば』と『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』はもちろん違う作品ですが、“復讐”というテーマは同じ。描くアプローチが違うんです。『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』に登場するストレンジャーは非常にミステリアスで、謎に包まれている。そして彼は非情に無口で、彼は銃を通じて物語るわけなんです。そこが(『狼よさらば』の)ポール・カージーとの大きな違いだと思います。

──チャールズ・ブロンソンに似ているということで、映画スターとして主役をやることになりました。何年か前には想像もつかなかった人生ではないかと思ったのですが、そういった意識はあったのでしょうか?

ブロンジー:まさかここまで大掛かりな話になるとは思ってはいなかった。ただ、私はいつか俳優として活動したいという夢は持っていたんです。だから、その夢が叶って嬉しいです。すべては、レネ・ペレス監督が、この映画のビジョンを話してくれたところから始まったんです。

──ジャパンプレミアイベントの時、25歳くらいの時に「ブロンソンに似ているね」と言われたことが、自分がブロンソンと似ていることを意識したきっかけだったとおっしゃていましたが、ヒゲはその時から生やしていたんですか?

ロバート・ブロンジー

ブロンジー:25歳の頃は馬の調教師をやっていたんですけど、実は、なんとなく意識し始めたのは20歳くらいのことだったかもしれません。毎日、自分の姿を鏡を見ているうちに、なんとなく意識するようになってきて。洗面所に行くたびにだんだんとヒゲを整えるようになりました。それから長い間、スポーツをやってきました。柔道やボクシング、サッカー、それからジムに通ったりしていて。身体作りも行っていたんです。もちろんいろいろな人からブロンソンに似ているねと言われた面は大きいんですが、もしかしたら自分なりにちょっとは意識していたところはあったのかもしれないですね。

──ブロンジーさんは軍人、大工、馬の調教師、ミュージシャン、スタントマンなど、さまざまな経歴を経て俳優になったそうですね。

ブロンジー:今までやってきたこと、経験の全てがキャリアの中で生きていると感じています。そして、チャールズ・ブロンソンに似ているということで様々な可能性のドアが開いて、この映画の主演というチャンスを掴むことができました。私はチャールズ・ブロンソンの影武者というわけではないですが、彼に似ているということを誇りに思っているんです。

──いろいろな仕事をした中でも、俳優になる夢はあきらめなかったということなのでしょうか?

『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』
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ブロンジー:子どもの頃からチャールズ・ブロンソンの作品を見て育ったようなものですから、憧れていたんですよ。いつの日か、彼のような俳優になれたらと思っていました。でも、日々の努力というのが大切なことだと思っていて、今もそうですよ。日々の努力が大切で、例えば語学を勉強したり、いろいろな作品を見たり、過去のブロンソン作品を見たりといったことは日々行っています。こういった準備をしておくことが助けになる。それが今に繋がっているんだと思います。

──映画ファンからすると、ブロンジーさんがそこに立っているだけで幸せな気持ちになります。ブロンジーさん主演で、歴代ブロンソン作品を次々とリブートしてほしいくらいです。

ブロンジー:そう言ってもらえるとうれしいですし、『デス・ウィッシュ』シリーズのように、『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』も2、3、4、5…と続編ができたらいいなと思っているんです。もちろん、見てくださった方が続編を望んでくだされば、ですが、そうすれば、監督やプロデューサーたちの心を動かすかもしれません。向こうに座っているボス(一緒に来日していたプロデューサーのジェフ・ミラー)と話をした感触からすると、8割方、続編があるんじゃないかという予感がしています。期待したいですね。

もしチャンスがあるなら、私も日本で何かCMを撮ってもらいたい
──ブロンジーさんは、スペインの西部劇テーマパークに出演中にレネ・ペレス監督と出会いこの世界に足を踏み入れたとのことで、ペレス監督との出会いは大きかったですね。

ロバート・ブロンジー

ブロンジー:率直に言って、私が東京にいて、こうやって取材を受けているということもみんなペレス監督のおかげなんですよ。アメリカでも私の映画を楽しみにしてくれる人がいますし、日本でもそういう人が増えてくれればいいなと思っています。まさにペレス監督は私の人生を変えてくれました。

──ペレス監督は、監督だけでなく、脚本、撮影、編集、音楽なども担当しており、多彩な方ですよね。

ブロンジー:その通り。とても才能にあふれたプロ意識の高い人ですね。自分が何を欲しているのかがよく分かっている人です。だからとても仕事がしやすい。撮影をするときにもいろいろと必要なことは説明してくれるし、いろいろなアイディアを出してくれる。私が演技をしやすいように演出をしてくれるので、彼の前では非常に自然体でいられます。

──「マンダム」CMの影響などもあって、チャールズ・ブロンソンは日本でも人気があったのですが、そんな日本でのブロンソン人気をどう見ていますか?

ブロンジー:ブロンソンが今でも日本で人気がある、というのは分かります。「マンダム」のCMも、有名な日本の映画監督(大林宣彦監督)が撮影したということも聞きました。ただこれだけ有名なCMに出演していたのに、ブロンソンは来日したことがなかったそうですね。もしチャンスがあるなら、私も日本で何かCMを撮ってもらいたいですね。

──それは見たいですね! それでは最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

ブロンジー:とにかく映画を楽しんでください。そして、『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』の続編がそう遠くない将来に、また皆さんにお見せする日がくることをお約束できると思います。その時はまたよろしくお願いします。

(text&photo:壬生智裕)

ロバート・ブロンジー
ロバート・ブロンジー
Robert Bronzi

ハンガリー生まれ。軍人、大工、馬の調教師、ミュージシャン、スタントマンなど様々な職を経てスペインの西部劇テーマパークにチャールズ・ブロンソンのソックリさんとして出演中にレネ・ペレス監督と出会い、彼の監督作品“FROM HELL TO THE WILD WEST”(17年)で映画デビュー。続いて本作で初主演作を果たす。本作は世界の映画マーケットで大きな話題となり、欧米のDVD、配信市場での大成功を経て出演オファーが殺到する人気者となった。本作に続き、レネ・ペレス監督の西部劇“ONCE UPON A TIME IN DEADWOOD”(19年)とゲイリー・ジョーンズ監督の監獄アクション“ESCAPE FROM DEATH BLOCK 13”(19年)をすでに撮り終え、さらに現代アクションの企画が数本進行中である。