第60回ベルリン国際映画祭が20日(現地時間)に閉幕、若松孝二監督が戦争の本質を描いた衝撃作『キャタピラー』に主演した寺島しのぶが、最優秀女優賞にあたる銀熊賞を受賞した。日本人女優の受賞は1964年に『にっぽん昆虫記』(今村昌平監督)と『彼女と彼』(羽仁進監督)の2作で受賞した左幸子、75年の『サンダカン八番娼館 望郷』(熊井啓監督)の田中絹代以来の35年ぶり、3人目の快挙となった。
第2次世界大戦中、戦地で四肢を失って帰還した夫を献身的に世話する妻を演じた寺島は現在、大阪で舞台「血は立ったまま眠っている」に出演中のため、セレモニーは欠席。若松監督が代わりにトロフィーを受け取り、寺島からメールで託された受賞スピーチを携帯電話を片手に代読。「60回目を迎えた記念すべき映画祭で、こんな賞をもらえてとても感謝しています。全ての国から戦争がなくなることを祈っています」という文言に、会場から惜しみない拍手が送られた。
作品賞にあたる金熊賞は、養蜂業の父と幼い息子の姿を描いたトルコの『Honey』(原題)、最優秀男優賞はロシアの『How I Ended This Summer』(原題)のグリゴリ・ドブリギン、セルゲイ・プスケパリスの2人が受賞した。同作は芸術貢献賞も受賞。監督賞は、77年にアメリカで起こした淫行事件の罪で現在スイスで自宅拘束中のロマン・ポランスキーが『The ghost writer』(原題)で受賞したが、前述の理由でセレモニーは欠席。中国の『Apart Together』(英題)のワン・チュアンアンとナ・チンが脚本賞に、ルーマニアの少年院から脱走を図ろうとする少年たちを描く『If I want to whistle, I whistle』(原題)が審査員特別賞に輝いた。
今年は、特別功労賞に当たるベルリナーレ・カメラを授与された山田洋次監督の『おとうと』がクロージング作品として上映され、パノラマ部門に出品された行定勲監督の『パレード』が国際批評家連盟賞を受賞するなど、日本映画の存在感が目立つ年となった。
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