寂れた町を舞台に、決して幸せとは言えない状況にあっても足を進めて歩んでいく人々の姿を繊細なタッチで描いた『海炭市叙景』。そのロケ地でもあり登場する町のモデルとなった場所でもある函館市で、11月18日に試写会イベントが行われ、キャストの谷村美月、小林薫と熊切和嘉監督が舞台挨拶に登壇した。
[動画]『海炭市叙景』東京国際映画祭舞台挨拶/谷村美月、加瀬亮ほか
『海炭市叙景』作品紹介
函館市芸術ホールの舞台に姿を現した谷村は「ずっと残っていく作品になってほしい。函館のみなさんが、自分の誇りだと思ってくれる映画になれば嬉しい」と語り、「これから寒くなるので、体に気をつけてください」と北国の人々を気づかった。
また小林は、「試写で見て、本当にすばらしい作品だと思いました」と絶賛。映画関係者の間でも評判がいいと話しながらも「そういう映画はなかなかヒットしないことが多い(笑)」と、興行の難しさを語り、「本当にたくさんのみなさんに見てほしい」と応援を呼びかけていた。
この日はキャストの加瀬亮、三浦誠己、南果歩もビデオレターで挨拶。加瀬は「陽の目を見ない生活や想いを演じたくて、映画をやっています。この作品では、そういった人たちの息づかいが確かに描けたと感じています」と、映画に込めた思いを吐露。南は「函館のみなさんの心のサポート、フィジカルなサポートがあってこそ完成した映画です」と感謝を語った。
最後に熊切監督は「この映画は、街が主役の作品です。だから、本当にそこで暮らしている人たちを描きたかった。自分にとって、これから進むべき方向が見えた転機となった作品です。これから劇場公開されますが、作品がひとり歩きするまで、もうしばらく見守ってください」と函館の人々に語りかけていた。
『海炭市叙景』は11月27日より函館にて先行公開、12月18日より渋谷ユーロスペースにて公開される。
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