1962年11月27日、韓国慶尚南道生まれ。『銀杏のベッド』(96年)で映画監督デビュー。監督・脚本を手がけた『シュリ』(96年)が韓国で観客動員500万人の大ヒット。日本でも興収18億円の大ヒットとなる。2000年には『燃ゆる月』をプロデュース。2004年にチャン・ドンゴンとウォンビン共演の『ブラザーフッド』を監督・脚本する。本作は7年ぶりの監督作となる
1928年に日本占領下の朝鮮で出会った日本人と朝鮮人の少年が、やがて大人になり、戦争に翻弄されながら数奇な運命を辿っていく姿を描いた戦争大作『マイウェイ 12,000キロの真実』。
大人になった日本人と朝鮮人の少年を、オダギリジョーとチャン・ドンゴンが演じていることも話題のこの映画で、メガホンを取っているのが、『シュリ』『ブラザーフッド』などの大作映画で知られる韓国の巨匠カン・ジェギュ監督だ。
そんな監督に本作の裏話から、日本でも人気の韓流やK-POP、さらには昨年末に亡くなった北朝鮮の金正日総書記などについて語ってもらった。
監督:オダギリさんが拒んでいたわけではないんですね(笑)。シナリオを見て、ここはちょっと違うんじゃないかとか、こういう風に変えたらどうですかという意見は出してくれましたが、全体のストーリーとしては特に問題もなく、細かいところを調整しながら出演していただきました。
監督:辰雄や、夏八木勲さんが演じる彼の祖父の憲兵隊司令官が、当時の日本人全体を象徴しているわけではありません。ただ、そういう人もいたということです。この映画では、自分なりの意志や哲学を持って生きている“ある人”を描いただけで、全員を代弁しているわけではないのです。
監督:個人的には強い女性は苦手です(笑)。実は数年前にハリウッド映画『ソルト』の監督の依頼があったんです。アンジェリーナ・ジョリーが出演すると知っていたら、受けていたのですが(笑)。
監督:もちろん、そういう意見は多かったですし、そういうシナリオもありました。ですが、それだと二兎を追い、オダギリさんとチャン・ドンゴンさんの男性同士の絆が薄れてしまうと考えました。
監督:10年経とうと、20年経とうと変わらないと思います。
監督:『シュリ』を作っていた頃は、私1人の夢、自分がやりたいことばかりを見ていました。でも今は、日中韓やアジアの映画がどうすれば共存できるのかなど、もう少し大きな見地に立って考えるようになりました。
例えば本作は、日本と韓国、2つの国の話です。結果的に日本からの出資を受けることはできませんでしたが、日本からの出資があれば、もっと簡単に進めることができた作品です。
そう考えると、韓国映画が元気なだけでなく、日本映画も元気である方が、お互いに出資し合い、マーケットをシェアしながら映画を作っていく環境が整うと思います。つまり韓国の映画市場だけでなく、中国や日本の映画市場も同時に発展していく方が、お互いにとってプラスになるわけです。
監督:もちろん、想定なんてできませんでした。
監督:韓国ではドラマだろうと映画だろうと、とことんまで描き切ります。例えば、ラブストーリーや不倫ドラマなら、ドロドロになるまで描いていく。人の気持ちや感情を、表面だけに軽く触れるのではなく、とことんまで掘り下げ、人間の感情をむき出しにしていく。そこが日本の作品とは違うところではないでしょうか。
『マイウェイ』でも、戦争の過酷さ、残酷さを、これでもかというくらい見せようとしました。なぜなら、実際の戦場は、これよりもさらに残酷だったと思うからです。ですから、観客にとっては、ちょっと重すぎる、見るに耐えないと思うかもしれません。でも、私たちはそれが現実だと思っているのです。それは短所にもなるかもしれませんが、強みでもあると思います。
監督:『ブラザーフッド』では戦争と家族を、『マイウェイ』では戦争と友情、人間の再生を描きました。決して挫折を描きたいわけではなく、心温まるような話をしたいと思っていて、それが家族の愛や友情、夢だったりするのです。
監督:過去のことを見れば、ある程度、予測できると思います。つまり、いつかはほかの独裁国と同じで終焉を迎える、崩壊するだろうと思っています。それがいつかはわかりませんが、時間の問題だと思います。
監督:『シュリ』の続編を作ろうという話があって、統一後の、南北朝鮮の混乱や激動のドラマを作りたいと思い、準備をしたことがあります。ただ、そのときはうまくいきませんでしたが。
監督:そうですね。可能性はあると思います(笑)。
(text&photo=編集部)
NEWS
PICKUP
MOVIE
PRESENT
-
『型破りな教室』一般試写会に10組20名様をご招待!
応募締め切り: 2024.11.29 -
山口馬木也のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!/『侍タイムスリッパー』
応募締め切り: 2024.11.15